第152話 風邪をひいた渚ちゃん②

「渚ちゃん。大丈夫⁉︎」


ぐったりとした渚ちゃんがゴロンと寝っ転がっている部屋に入った俺は、今日何度も言ったそのセリフを言った。


「うん。今のところはなんとか。……それより、ゆうくんは、大丈夫なの?」


渚ちゃんにそう言われたことで、俺は今日これまでの行動を振り返る。

えっと、今日は、朝起きて、渚ちゃんから連絡が来て……それから急いで渚ちゃんの分の朝ごはんを作って、葵の作ったご飯も食べずに家を飛び出して……。あれ?俺これやばいんじゃない?料理があまり好きではないし得意でもない葵が、朝早くに起きて一生懸命作ってくれたご飯を食べずに飛び出しだって……。普通にひどい男じゃん。

だが、今そんなことを気にしたって仕方がない。それに、そんなことを言えば、不安を顔に出せば渚ちゃんに心配をかけてしまう。渚ちゃんに気を使わせてしまう。そう思った俺は、


「うん。大丈夫だよ。……じゃあ俺は洗濯とか掃除とかしてるから、何かあったら呼んでね。」


俺は渚ちゃんにそういうと、家事をし始めるのだった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る