第94話 ……あ、やっぱりそうなっちゃうんですね。
「えっと、本当に、日鞠ちゃんと優香さんは今日泊まっていくの?」
さすがになにかの冗談であってくれ‼さすがに、さすがにないとは思うが、もし、
二人が葵みたいな態度をとってきたら……何かの間違いが起こるかもしれない。
そう思った俺は、一縷(いちる)の望みをかけて、二人に対してそういった。
「もちろん、泊まっていくじゃないですか‼」
と、日鞠ちゃんが
「逆に泊まらないなんて言う、選択肢があると思うの?」
と、優香さんが言った。……はぁ。やはりそうですか。
「それじゃあ、お風呂は誰から入る?」
これはきちんと、決めておかないといけない。決めておかないと、事故が起こりかねないし……。
「え⁉誰から入るって、どういうこと?ゆうくん。」
ん?どういうことも、こういうことも……普通に、そのままの意味なんですけど?
もしかして、ついに葵さん、日本語も理解できなくなっちゃったの⁉英語だけじゃなくて?
「ゆうくん、まさか一人ずつ入ると思ってたの?」
……あ、そういう事か、女子は全員一緒に入るから、『誰から』ってところの意味が分からなかったってことね。……いや、それでも俺が先に入るのか、それとも女子三人が先に入るか決めないとじゃない⁉
「お泊り会をするんだから、四人で入るに決まってるでしょ‼」
……ん?
「四人って、どの四人?……優香さんと、葵と日鞠ちゃん。ここに女子って、三人しかいなくない?」
まあ、俺には見えない、『幽霊』という名の四人目の女子がいるなら、話は別だけど……。
「え⁉ゆうくんは何を言ってるの?私と、優香と、日鞠ちゃんとゆうくんの四人じゃん‼」
いや、何言ってんのは、こっちのセリフでしょ‼
そう思ってあたりを見回すと、
『葵先輩の言う通りだよ‼』というような顔で俺のことを見つめている日鞠ちゃんと、『この前一緒に入ったのを忘れたの?』と言わんばかりの顔で、俺のことを見つめる優香さんの姿があった。……え⁉俺がおかしいの⁉
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