第33話 にんじんを、切る……だと⁉︎

「えっと、じゃあ次はにんじんを切って。ちなみに俺は隣で、大根を切ってるから、何かわからないことがあったら言ってね。すぐに教えるから。」


ゆうくんは、そう言って私に包丁とにんじんを渡すと、自分は大根を切り出した。

……ゆうくんの包丁さばき、すっごく綺麗で、

ずっと見てられる。

……そういえば、にんじんって、どうやって切るの?木っ端微塵ぎり?それとも、打ち切り?

やっぱり天下の大喜利かな?


「ねえねえ、ゆうくん。このにんじんって大喜利

にして大丈夫?」


私がそう聞くと、


「大喜利って、あの大喜利?『僕の首とかけまして、薬物を使用した人と解きます。その心は、どちらもすぐに、飛んでしまいそう。』とかいうあれ?」


……ゆうくんの大喜利、すっごくつまらない。

しかもそれ、大喜利じゃなくて、なぞかけじゃない⁉︎……つまらない上に間違えるって。

ゆうくん……。


「大喜利じゃなくて、いちょう切りにしてよ。」


私はがそんなことを思っていると、ゆうくんはそう

言った。


「……いちょう切りって、何?」


私がそういうと、ゆうくんはいちょう切りを見せてくれた。

……ああ、この形に切ることを、いちょう切りって言うんだ。大喜利は、つまらなかったけど、料理の腕はすごいね‼︎ゆうくん。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る