第32話 お米って、どうやって洗うの?

「ゆうく〜ん。今日は何の料理を作るの?」


あれから10分後、私たちは2人でキッチンに立っていた。ゆうくんは、クマのエプロンを、私は、猫のエプロンをつけ。


「今日は、鍋炊きご飯に豚汁、そして鮭の塩焼きだ‼︎」


……『ザ・和食』っていう感じのメニューだね。


「ていうか、ご飯って、鍋で炊くことできるんだ⁉︎」


驚きのあまり、思わず声に出てしまった。


「……いや、鍋で炊けるだろ。だって、昔の人は、土器とかを使って、ご飯を炊いていたんだぞ?

ほら、弥生土器とか、そういう用途で使われていたって、この前日本史で習っただろ?」


……たしかに、そんなことを習ったような、習ってないような。


「それじゃあ葵には、まずお米を洗ってもらおうか。」


……お米を、洗う?

ナニイッテンノ?ユウクン。


「私、お米の洗い方とか、知らないんだけど。」


私がそういうと、ゆうくんは、


「仕方ないな〜。ちゃんとみててよ?」


そう言って、お米の入ったお鍋の中に水を入れると、手際良く、水をかき混ぜ、水が濁ると、手際良く水を取り替えた。……どうして、お米を一粒も無駄にせずに、あんなことができるの?


「明日からは、これもやってもらうから、ちゃんと今日見たことを、覚えておいてね。」


……あ、明日もやるんだ。

ともかく、これにて私は、お米の洗い方を覚えたのだった。

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