第159話 凱旋
「ポイズン!」
かつてここまで気合いの入ったポイズンを聞いたことがあっただろうか?いや、ない!
グレート・帝国魔導師・オニツカ!?
「ワッハハハハハ!ブッ!イッヒッヒッヒッヒ!あっ……」
GTOのやってしまった感全開の顔が、あまりに馬鹿らしくて笑い過ぎた拍子に中佐を川に落としてしまった。
「「あっ……」」
あちらも突然の事に固まっている。
苦労して捕まえた人質をどうしようか迷っていると、あの青年士官が叫びながら魔法を使おうと短杖をコチラに向けてきたが、GTOがそれを必死に止めていた。
そんな事より中佐を助けてあげて?
必死に川面から顔を出してもがいている中佐に同情を禁じ得ない。
「笑わせてくれたお礼だ!中佐を返すよ!後、GTO!ブッ、今度ゆっくり語らおうぜ!www」
まぁ、川に落としたのは単なる事故だが。
人質が居なくなったのをいい事に正気を取り戻した指揮官が兵士達に指示を出す。
弩弓を構える帝国兵にボートを穴だらけにされてはたまらない。"ガードカスタム"の魔力シールドを展開し、飛んでくる矢を全て弾いてやった。
ガード、初めて使ったがまぁまぁだな。
「お前ら人が親切に人質を解放してやったのに、何て事するんだ!この碌でなし!」
お返しに無粋な奴等に指鉄砲を向けると、GTOの魔力障壁が帝国兵達を守るように展開された。
中々の展開速度と防御範囲である。
しかも、同時に数本の
しかし、それも魔力シールドに着弾すると砕け散った。
「んにゃろめ!」
ならばと、奴等の乗って来たであろう馬に向けて.45ACP弾をばら撒いてやった。
あの町に戻るのも結構な距離がある、全ての馬を殺せた訳ではないが歩いて帰る奴等は大変だろうな。
「ぬぅおおおおお!貴様ァーーーッ!」
叫ぶGTO。
「俺と話しがしたければ南村に訪ねて来い!待ってるぜ!」
あの、多分転生者であろう男に向けてそれだけ言うと、スロットルを全開にしてその場を離脱した。
北の村で一夜を明かすと、ボートで南村に向かう途中でサハギンの群を察知したので7.62mmでボートを走らせながら機銃掃射の要領で弾幕を浴びせてやった。
水面付近にいたヤツらは蜂の巣になっただろうが、ちょっと水中までは弾が届かないようだった。
「弾の形状か……ちょっと鋭く細くする感じか?」
昔見た、おそロシア製の水中銃の弾を参考にしてみた。
最近のは、昔程弾のサイズが長く無かったりしたはずだが、まぁそれはいいか。
ようは多少の水の抵抗でも獲物を仕留められれば問題ないのだ。
これまでは、断崖の多い湖の東側を湖のほぼ中央に小島をさける形で通行していたが、サハギンの群はどちらかというと砂浜が多い西側の湖岸に多く棲息していた。
「たまには本業の方もこなしておくとしようか」
一応な
形状を変えた針状バレットを群を見つける度にフルオートでばら撒きながら南村へと向かった。
村に着く頃には相当の数を駆除していたようで、
サハギン討伐130匹達成報酬1300P
・
・
・
サハギン討伐270匹達成報酬2700P
合計30000P
それに一匹当たり50Pの魔石を得られたとして×150匹分も追加される。
雑魚の討伐報酬が凄い事になってる。
中央の小島付近にもまだ居そうだし、今までは村の"神域"だからって事で避けていたが村長に相談して接近を許可してもらおうか?などと考えていると、ワンコが尻尾を振りながら村から駆け寄ってくる。
鼻も効くが耳も普通の人間よりいいらしい。
「お土産たんまり持って帰ってきたぜ」と言うと、嬉しそうなワンコを小脇に抱えて村へと戻った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます