第89話 初遭遇と魔法少女 中編

廃教会に戻ると衛兵隊が捜索中だったが、地下にあった大量の金貨などが数億円分と武器や薬物などをすでに発見していた。


これはボーナスが期待できる


個人的な戦利品として、魔法の丸盾と頭目の『火箭のなんちゃら』が所持していた魔法の指輪だけは確保してある。

魔法の丸盾は込める魔力に応じて強度を変える優れ物なのだが、いかんせん俺の魔力は大した事ない。


指輪は対魔法減衰装置で、嵌めてるだけで受ける魔法攻撃の威力を20%をカットするという。

微妙にいい物なのかどうか迷う。

普通にバレットで脚を撃ち抜けてたし……



とにかく、商業都市ブリスクの新興勢力はほぼ一掃された。

後は衛兵隊とローズファミリーに任せておけばいいだろう。


スラムの包囲と市門の警戒が解かれ、街はとりあえず日常に戻った。



翌日、領主館で残りの魔石60箱を受け取り任務完了。


後で回収した金貨等の戦利品を収支計算し、報酬を出すと言われた。

人的・物的被害の補填、関係各所での分配が行われるらしい。

あの辺境伯やるやん


クンニ派粛正の報酬と合わせて、魔石だけでも1億円以上の報酬+現金。

異世界最高である。


領主館の客室でまったりとしながら、今作戦でのリザルトを確認する。


賊の殲滅成功報酬:10000P

都市の治安回復報酬:3000P

野盗討伐40人達成報酬:400P

野盗討伐50人達成報酬:500P

     ・

     ・

     ・

野盗討伐130人達成報酬1300P


合計21500P


相変わらずゲームライクな運営(神)報酬。

運営なかなか分かってるな。

今回の掃討作戦で100人程度の賊を討伐したらしい。

一々数えてなかったが報酬を見ると大体分かった。

他の連中がどれくらいの数を討伐したかは知らないが、多分俺が一番頑張って討伐したと思う。


レベリング大好き!目指せ!職業進化!


———————————

ブラックホーク・珍太郎

レベル:15→20※レベルキャップ

職業:まほうつかい 

 力:37→55

 魔:16→20

 体:26→40

 速:28→40

 技:24→35

魔法・スキル

バレット改、生活魔法、身体強化Ⅱ、初級地魔術

格闘術Ⅲ、短剣術Ⅱ、短槍術Ⅰ、射撃Ⅲup、隠密Ⅱ、察知Ⅱ、魔力操作Ⅲup、狙撃Ⅱ、魔力感知Ⅱup


称号

 異世界人、使徒、魔弾の射手(※魔弾の威力小UP・消費魔力低下・精密誘導射撃可能)、粛正者(※神敵特効)



どうやら20でレベルキャップらしい。

P交換のリストにキャップ解放は無かったが、どうせ何か手段があるんでしょ?

そう、職業進化ジョブランクアップとかね。


P交換リストの『職業進化』は50万Pとかなりのコストだったが、今の約250万Pを持つ俺には問題ないP消費。

これで『まほうつかい』ともオサラバだ!


「ポチッとなぁぁぁあ!」

渾身のポチりを見せてやる!

身体に光りの輪が回転しながら吸い込まれていく。

エフェクトは無駄にカッコイイ。

ステータスを確認する


「嘘だろ……嘘だといってよ!バーニィーーー!」



職業:まほうつかい改



「ふざけんな!クソ運営がぁ!」


[職業進化を確認しました。レベルキャップを解放します。次の上限は30です]


———————————

ブラックホーク・珍太郎

レベル:20→23

職業:まほうつかい改new!

力:55→66

 魔:20→23

 体:40→47

 速:40→48

 技:35→40

魔法・スキル

バレット改、生活魔法改new!、身体強化Ⅱ、初級地魔術

格闘術Ⅲ、短剣術Ⅱ、短槍術Ⅰ、射撃Ⅲ、隠密Ⅱ、察知Ⅱ、魔力操作Ⅲ、狙撃Ⅱ、魔力感知Ⅱ


称号

 異世界人、使徒、魔弾の射手(※魔弾の威力小UP・消費魔力低下・精密誘導射撃可能)、粛正者(※神敵特効)、マーダーnew!(※対人戦闘における攻撃力微増)


改、そうきたか……

運営は俺に試練を与えるのか……

乗り越えてやろうじゃねぇか!ああ、やってやんよ!運営さんよぅ!


客室の侍女が、急に一人で騒ぎ出した俺を怯えるように見ていた。

「大丈夫だ。心配ない。なんの問題も無い。無問題モウマンタイだ」

そう、あたかも自分に言い聞かせるように言った。


お茶で気持ちを落ち着かせ、宿に戻ると不貞寝した。


翌朝、高級宿ホテルの支配人に周りを嗅ぎ回ってる連中がいると報告をうける。

「領主様か教団に連絡しますか?」と聞かれたが断った。

あれだけ貴族やゴロツキ共を潰して回ったのだ、鼻の効く連中ならなんとなくでも使徒が関わった事に気づいてもおかしくない。

MAPさん的にも黄色表示なので、喫緊の対応は必要無いと思う。

邪魔なら殺すだけだ



白光教団の教会にいくと同郷の二人と聖女が出迎えてくれた。

落ち着ける部屋で三人にしてくれと頼む。


「遅くなったが自己紹介だ。俺は黒井 鷹。『神々の箱庭』をやっててコチラの世界に送られた。アンタら親子もそうか?」


「はい。私と娘も同じゲームをやってました。黒井さんも『旭日同盟』なんですよね?私達はあの時二人でアニメを見て時間を潰してたんですが、それで他の方達とは別々に飛ばされてしまったらしいんです」


「なるほど?それであのマフィアに捕まってしまったと?」


「この世界に来て途方に暮れて私に声をかけてきた男がいまして……まぁ、早い話し騙されてしまったんです。医者だと言うと怪我人や病人の対応をさせられてました。この子と一緒にいられるならなんでもしようと思いました。本当にありがとうございました」

ヤヤハゲの父親は少し薄くなった頭を下げた。


「それは気にしないでいい。ゴミ掃除のついでに助けただけだ。俺はキャラ名がブラックホーク・珍太郎だアンタらは?」


父親のヤヤハゲは顔を顰め「ゲッ!?」とうなる。


「ユウ知ってる!しちしのブラ珍さんだ!パパも知ってるでしょ!幹部の変態枠だって言ってたもんね?」


「ユウちゃん!?いやー、ハハハこの子は何を言ってるんですかね?」ハハハハハとヤヤハゲは乾いた笑いで誤魔化そうとしてた。


「でも、メッチャ強いってママが言ってた!カッコイイよねって」

ユウちゃんはなんていい子なんだ。

ご褒美をあげたい!小学生の女子の趣味趣向なんぞ想像もつかんが、アレだアレ金貨をあげたらいいんじゃないかな?好きなだけ鷲掴みさせてあげよう。


「え、え〜と。この子は『ユウNO.1』で私は……『……』です……」


「え?何?ごめん、聞こえなかった」

「『☆:.。.姫凛プリン.。.:☆』です!」

一瞬笑う所か?と思ったが既にそのタイミングは逸した。なんとなく見覚えもある。


「ちなみにだが、この世界に認識されるとキャラ名が自分のステータス欄に反映される。少なくとも俺と他の何人かはそうだった……」

場の空気は重い


このやたらキラキラした名前のヤヤハゲをどうしたものかと思っていたら、「それね、ママのなの」とユウちゃんが助け舟を出してくれた。


「はじめはママとユウがやってたんだけど……ママいなくなっちゃったから……今は、パパが代わりにやってるの」


だめだ、余計に重くなってしまった


「そ、そうなんだ。何かごめんね?」


「気にしないで、ユウはもう大人だし。大丈夫だから!」

健気や!健気な娘やで!おじちゃんが金貨あげよ

たくさんあげよ!


「……とにかくだ、ユウちゃんはさておき姫凛プリン……さんはレベル上げないとな」


「ユウもレベル上げたい!」

「コラ!ユウちゃん!」


「ユウちゃん、レベル上げるには魔物を殺さなきゃいけないんだ。その覚悟はあるかい?」

この歳で殺生の覚悟があるとは思えないが、本人の希望ならば叶えてあげたい。


この世界で生きていく為にも


「ユウやるよ。絶対にやるから。パパは反対かもだけど、やるったらやるもん!」


ただならぬユウちゃんの雰囲気に二人のおじさん達は只々困惑するばかりだった。



—————————


ユウちゃん萌えしてしまった方、素直に⭐︎評価しなさい。

あと、イエス ○○ー○ ノータッチ!ですよ。

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