第34話 純粋な気持ち
翌日、朝遅く起きて宿の女将さんに朝飯は終わったと言われ昼飯を別料金で用意してもらい食堂の窓から異世界の町を眺める。
海外旅行で地元民が通う食堂でのんびりブランチとかとってる感じだろう。
出て来たのはジャガイモとサーモンのグラタン
本当にこの世界の食文化には驚く
焦げたチーズとソースが絡んだホクホクのジャガイモとサーモンをハフハフいいながら食べる
パンもフォカッチャに似たパンで
そのままでも美味しいしグラタンのソースを付けて食べると最高だった。
食後のコーヒーはなくハーブティーだった
オシャレ女子かよ!
と自分で突っ込みつつ食事とお茶を満喫していた。
宿の食堂に早めの昼飯客が来たのかと思ったら昨日の金髪と太ももちゃんだった。
「茶髪は元気?」と笑顔で聞くと金髪が
「貴さ「彼は治療院にいるわ。2週間ほど安静にしてれば元に戻るそうよ。」ま…」
「それは良かった。心配してたんだ。」
「よくもぬけぬけ「ありがとう。それより、今日は貴方に伝言を預かってきたの。ギルド長が会いたいそうよ。昨日の件とは別件で」… 。」
金髪は昨日と同じ苦虫を噛み潰したよう顔だ。
可哀想な金髪はとりあえず無視して太ももちゃんに席を薦める。
座って圧迫されムッチリ度の増した太ももを拝むためだ。他意はない。純粋な気持ちだった。
間が悪いことに新たに客が入ってきた
「やはりいらっしゃいましたか!」
小綺麗オッサン商人マルコスさんだった。
手代をギルドにやったが見つからず、紹介した宿に自らやって来たと言う。
マルコスさんは俺が太ももちゃんに薦めた席に座ると女将を呼び新しいお茶を頼んだ。
軽く殺意が湧くが大人として振る舞う。
ムッチリ度が増した太ももを見れないからといって町のソコソコ有力者を害するほど馬鹿じゃない
2人を見ると困った顔でマルコスさんを見ている。
「貴方を呼びに来たのはその…、マルコスさんの件についてだったの…」と、太ももちゃん。
マルコスさんは「あの若造め…。」と、ブラック・マルコスさんの顔をしていた。
「いやはや、あのギルド長にも困ったものです。貴方に指名依頼を出そうとしたら止められましてな。昨日今日で冒険者になったばかりの人間に指名依頼とは正気を疑うとまでいわれましてね。能力があるから依頼を頼むと言っているのに、やれランクがとか他の者に示しがつかないとかなんとか」
「なるほど?して依頼というのは?」
「商業都市ブリスクへの輸送業務です」
「ほう。(とりあえず次の目的地の候補としてはいいかもな) 往復で?」
「出来ればそうしていただけると此方としては助かります」
「出発日と日程は?」
「早ければ10日後、遅くても2週間以内には出発したい。行程としては15日前後で向こうに着いて1週間程の滞在、帰りは行きと同じ程度となりますな」
旅費、滞在費も商会持ちで馬車に乗ってていいらしい。
さすが出来る商人マルコスさん!
護衛任務は他の冒険者に任せるから、夜も寝てていい、何なら昼間も寝てていいと完全なる荷物持ち。
ここまで聞いといてなんだが、報酬なんか妥当な額がわからんし、予想される敵やその脅威度もわからない。
「どうでしょう?ここはもう一度、ギルド長と副ギルド長を交えてもう一度話し合いませんかね?彼等が渋ったとしてもギルドを通さなければ参加出来ないという訳でもないんだし」
「貴方がそう言うのであればまぁ…兎に角今回の輸送は絶対に成功させなくてはなりません!貴方の能力があれば、ウチは更に大きな利益を出せる!」
鼻息も荒くマルコスさんはそう言った。
—————————
⭐︎が星い!
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます