第32話 キラーマシン 閑話
散々だ あれよあれよと 言うまにさ
知らない世界 牢に一人で
by milf_killer_machine
こんな所に俺が一人で蹲ってる元凶はブラ珍だ。
集合時間前に集まって「暇だからゾンビゲーやろうずwww」なんて言い出したからだ。
モブ太もノリノリでペリカちゃんは元々そっちのゲームの方がメインの子だった。早苗丸は寝落ちしてるんじゃないかと思う程反応が薄いがいつもの事だ
もう一人のパーティメンバーは『仕事でギリギリになる』と連絡があった。
ペリカちゃんは人妻だ。一児の母だ。
ペリカちゃんがやるなら俺もやる!とばかりに参加した。
勿論ペリカちゃん目当てで
名は体を表すと言うが、俺は性癖を表してる。
好きです、人妻。
ゾンビなんてどうでもいいんだよ!
ボイチャでペリカちゃんの声を聞きたいだけなんだよ!
出会い厨と思われたくないので積極的にはアプローチをかけてないが「いつかオフ会やろうね」と言ったら、めちゃくちゃ警戒されてしまった。
名前のせいかもしれない
ペリカちゃんとオフ会したことあるブラ珍はいつか絶対に殺す。
今の日本で虫以外の生き物なんか殺した事あるヤツなんてそうはいないだろう。そんな場面に出くわす事もない。
あ、魚ならギリあるか。いや、生きてる内に捌いたりはしなかったな…
それなのにこんな世界に連れてこられた
くそぅ、くそぅ…
こんな所で死にたくない、死ねない
みんなと会いたい…仲間にしてくれたアイツらに会いたい
後、素人童貞のまま死にたくない…
現実世界では陰キャ・コミュ障な俺だがゲームならそこそこ陽キャに振る舞える。
モブ太のような根っからの陽キャは尊敬する
ゲームで最初に声を掛けてきたのがブラ珍とモブ太だ。
そこそこ陽キャに振る舞える俺だが、知らない人にいきなり声をかけたりは難易度が高い。
クランなんかに入って段々と打ち解けていくというのが基本的だ。
アイツらはいきなりだった
「スゲー名前だな?最高だな!ちょっとうちのクランに来ない?変態でしょ?歓迎するぜ?」と
いきなりの出会いにあたふたしてると、あれよあれよという間にクランに入ってしまっていた。
強引で馴れ馴れしく馬鹿な二人だったが
嬉しかった
普通の人なら、普段の俺なら断ってたと思う
でも、なんか二人の雰囲気と言ったら変だが何か妙な魅力を感じた気がしたのだ。
開始早々に盗賊団に遭遇、奴隷狩りらしかった。
現在、絶賛牢屋で拘束中
ハードモード?ホットスタートとかいうやつか?
そもそも転移と言ったらチートだろ!
なす術なし。
「チューチュー、チューチュー」
ネズミだ。超デカイネズミだ。
イヤイヤイヤイヤ!デカ過ぎだろ!
鉄格子の外に現れたそいつは体長50cmはある魔獣化したどぶネズミだった。
鉄格子があるので中には入ってこないだろうと思っていたら、あっさり鉄格子の間をすり抜けて俺に向かってきた。
「痛ってーーーーっ!」
布のズボンなど簡単に貫通しネズミの歯が足に突き刺さり、肉をえぐった。
必死に振り払うがガッチリ食い付いたネズミはなかなか離れてくれず、もう一方の足でおもいっきり蹴り飛ばした。
鉄格子に叩きつられてもなおも襲ってくるネズミと必死に戦い、足が血だらけになりながらも頭を踏み潰してようやく決着がついた。
ネズミを殺した瞬間、力が湧いて「これで、なんとか…」
ガチャンと音がして盗賊が牢屋に入ってきた
「お前何しとんじゃ?」と俺とネズミを見た。
盗賊は可哀想なものを見るよな目で「これでも塗ってろ」と言うと小瓶を投げ寄越した。
ネズミ相手に死闘を繰り広げた俺を憐れんでか、売り物の状態を気にしてかその両方であろうか。
大人しく傷に軟膏を塗るのを見ると盗賊は出ていった。
「コマンド」これで何とかなる。
いや、何とかしなければならないのだ。
アイツら馬鹿だから「ステータス」とか言ってコマンド開けないで困って無いだろうか…
大丈夫かな、あれだけ念を押されて説明を受けたんだ…いや馬鹿は理屈じゃないからな。
まぁ、無駄に適応力のあるヤツらだったから大丈夫だ。
とにかくこの状況を打開するとしよう。
この日、一つの盗賊団が壊滅
それから三日後、盗賊団と繋がりのあった奴隷商隊が奴隷を除いて皆殺しにあった
生き残った奴隷はこう言った
あれは死を振り撒く機械だと
妙に熟女に優しかったと
『人妻殺しのワイズマン』と色んな意味で畏怖される男
後のmilf_killer_machineである
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