第29話 パイパンおとこの娘・爆誕

「ガゴン」金属を叩く音が響いて

あ、やってもうたかな

その時の感想としてはそれだけだった。


股間から小便をたれ流し、床で転がっている男のオトコノコを弾いてしまった。バレットで。

非貫通弾ではあるが、オトコノ娘になっちゃったね的な状態である


事の始まりは、冒険者ギルドで身分証でも作ろうかと憧れの冒険者ギルドに憧れの冒険者になる為に訪れた事による。

テンプレあるかも!何てウキウキで受け付け嬢を探すが、待ちの列に並ぶ間もなくパイパンヘッドのお兄さんに通せんぼされてしまった。

「あんた、コッチは依頼を出す受け付けじゃないぜ。二階に行きな。」

ここまでは良かった。

親切なハゲに、冒険者になる為に来た事を告げると

「ギャハハ!お前みたいなのが冒険者だって?悪りぃこた言わねぇから、やめとけ…死ぬか殺されるかのどっちかしかねぇ」

こんなテンプレを我が身であじわうことになるとは、感動で震える。

「オイオイw震えてんじゃねぇかw玉ついてのかよ!ああ?」と顔をベチベチと叩いてきた。

これが駄目だった

ハイ!アウトー!

それなら君の玉もナイナイしようねー


金属板を繋いだ草摺っぽい防具は簡単に陥没を許してしまいましたとさ。


めでたし、めでたし。


とはならなかった訳で。


「俺、何かやっちゃいましたぁ?」

言ってしまった後で、ここで使うヤツじゃないなと

少しだけ後悔した。


色めき立つ冒険者達にギルド職員

周りから罵詈雑言を浴びてそいつらの顔を見回したが手を出してくる者はおらず、取り敢えず「責任者を呼んでくれ」とだけ言って近くのベンチに腰をかけた。

玉無しパイパンヘッドは仲間か知り合いだろう冒険者に運ばれていった。


残念ながら、やたらマッチョとか好々爺風のギルド責任者ではなかった。キチッとした40前後の役人風の男が目の前に立ち、

「それで、事情を聴かせてもらえるか?」と言うので、「そちらのギルド員に名誉を傷つけられさらに暴行を受けた。身の危険を感じたのでやむを得ず正当防衛を行使した。」と答える。

いけしゃあしゃあと

顔を顰めて近くの職員の顔を見る

まぁまるっきり嘘ではないので職員も渋々頷くが、やはり納得はできない様子だった。

「やり過ぎとは思わなかったと?」

「死ぬよりはマシだと思うが?」

殺すほどではないがヤレるんだぜ的なね

「まぁいい、それで冒険者になりたいと?」

「そう思ってたんだが、ああいう馬鹿を野放しにしてる組織なんだろ?ちょっと信用出来ないなぁ。」

ここまできたら、もうどうでもよくなっていた

悪い癖だ。面倒なので

「登録できるのか?出来ないならそこら辺の馬鹿を2、3人ぶちのめして帰るけど。」

さすがの物言いに困惑してるらしい

「な、何故ぶちのめす必要がある?悪い事は言わんから大人しく帰れ。今なら穏便にことを収められる。」

「それはアンタの都合だろ?そこの馬鹿達には散々侮辱された。むしろ2、3人で済むんだ、礼の一つでも言ったらどうだ?」

こんな難癖自分で言ってて恥ずかしくないから不思議だ。

どう考えても頭のおかしいヤツである

周りの冒険者も気色ばみ、一触即発の様相を呈している。

ふと責任者の男の後ろに背の高い褐色冷徹系美人が立っていた。

ボーッと見惚れてしまうほどの美女。

見つめ合うこと数瞬、酷く冷たい眼をしているが決して見下したり馬鹿にするような感じではなかった。

完全に見入ってしまい、久しぶりに立ち上がれないほどにムスコがおっきっきしてしまった。

ボン・きゅ・ボン

黒のガーターベルトと透け透け下着とか超似合いそう

白でギャップと背徳感を味わうのも捨てがたい


「おい!聞いているのか!」と少しばかり語気を荒げる男の声で我にかえり

「今までの事はお互い水に流そうぜ。お互いの為にな」

そう男に告げると、褐色エロスに

「そんな訳で、登録をたのむ」とお願いした。


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