第25話 勇者 閑話
勇者†アキト†は、30
皮の鎧、皮の帽子、木の盾、木剣を装備した!
転移した次の日の昼過ぎ、王都内の訓練施設に70人の転移者が連れて来られていた。
一度に全員はちょっと多いという事で午前と午後で分けられた。
転移者達全員に朝食後、差し当たってのお小遣いにしては少し多いが見知らぬ土地での当座の金としては少し心許ない金を渡された。
平均的な下級役人の約一月分の給金
そして本題を告げられる。
この世界に認識してもらう為に魔物を倒しレベルを1以上にする必要があり、その為に戦闘訓練を行うという事だった。
訓練を辞退する者もいたが、ほとんどは参加する事に同意した。
装備を整えた一行は訓練所で基本的な武器の握り方から振り方を教えられ、素振りをしていた。
ごく一部を除いて酷い有り様であるが、それも致し方ないであろう。
性別・年齢がバラバラなこの集団は平和な国、それも剣や槍など遠の昔に廃れた世界からやって来たのだ。
勇者†アキト†もそんな酷い有り様の中の1人であった。
勇者は職業的な物ではなく勇者からが名前だ。
多くの若者が持つ根拠のない万能感、あるいは自己の特別感を真っ向から叩き潰されていた彼は不貞腐れていた。
「訓練?wそれより早く魔物倒しちゃった方が良くないっすか?w」
人を小馬鹿にした物言いで朝から回りの大人にやんわりと窘めらたが、その結果がこれだった。
それでも、いざとなったら上手くやれる!という謎の自信はまだ残っていたが。
〜〜〜〜〜〜〜〜
徴募した農兵達ならいざ知らず、全員が神の紐付きである下手な扱いはできない。
かと言って、一度に対応するには多過ぎる。
戦闘に向かない人間も多いが魔物を倒す事は必須という無茶振りに王国並び教会関係者は頭を痛めた。
とにかく、ゴブリン程度ならとどめを刺せるくらいには全員を仕上げなければならない。
王都に駐在する国軍と有力貴族の領兵・私兵を動員し護衛しながら魔物を狩りに行くのだが、最低ラインはとどめを刺せる事にした。
戦闘職にならない者も多いという事だったが、この世界のご時世的なものも加味して護身程度はできた方が良いと転移者達には告げいてた。
戦うという行為に拒絶感を持つ者はいる
殺すとなれば尚更だ
それでも、魔物は襲ってくるし己を害そうとする輩はいるのだ。
勇者†アキト†の冒険は始まってもいない
頑張れ!勇者†アキト†
負けるな!勇者†アキト†
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