第3話 肥溜めにGO
「っ…………うん?」
何だよ……カーテンは締め切ったはずだろ?
何でこんなに明……るい……?
「……っ!?おいおい!まじかよ!」
なんと言うことだろう。テレビの画面がついていたのだ。
「てっきり壊れたものかと……よく戻って来た!」
俺はテレビに抱きつく。
なという感動的な再開……
「って、そうじゃなくって……。」
ゲームのほうは……
「よぉし!ついてる!」
テレビに写っていたのは「最初の洞窟」と呼ばれている、プレイヤーが初めに目覚める洞窟だった。
この洞窟を出ると、ランダムでプレイヤーは何処かにスポーンする仕組みになっている。
「(180センチにしたら目線が低いような……)」
このゲームは1人称視点なので、身長が低く設定すれば目線が低くなり、身長を高く設定すれば目線も高くなるのだ。
「(バグの効果なのかな?)」
どうせこの洞窟を出たら、ステータス画面にて、俺に超似ている全身像とご対面だ。
「〜〜♪」
期待に胸を膨らませ、お気に入りの鼻歌を歌いながら洞窟から一歩足を踏み出す。
瞬間
ヒューーーー!!
「(何だこの何かが落ちているような音?)」
テレビをを見ると画面は真っ白になっていた。
(まぁ、だいたい予想できたことだ。)
バグを起こさせると、コンピューターが無理やり正常の状態に戻そうとして一時的なバグのような現象がまた起こるのだ。出来れば正常に戻らないでほしいところだ。
バン!!!!
テレビから大きな音がなった。
「あっ」
目の前には画面いっぱいに赤い文字で、GAME OVER という文字が出ていた。
ピロリン♪
テレビから再度音がなった。
画面をの下の方を見ると、GAME OVER の下に緑色の文字で
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
{称号獲得}
{称号}すごい高いところから落ちたで賞
{獲得条件}標高10000000m から落ちること
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
一、十、百、千、万、十万、百万……
「(うわぁ…標高千万メートルから落ちてたのか……)」
実際の生身だったら……
ううっ、そんな不吉なことを考えるのはやめよう。
…グゥ〜〜〜…?
おっと失礼、これは俺のお腹にいる虫の音だ。
現在朝の6時20分
(そろそろ朝ご飯を食べようかな)
ちょうど切りが良いし、腹の虫が限界のようだ。
*
チャララッチャ、チャッチャッチャッ、チャララッチャ、チャッチャッチャッ、チャララチャッチャッチャッチャッチャッチャッチャッ、チャラララララン♪
皆さんこんにちは。
今日の30秒クッキングは、畑のお肉ぶっかけご飯です。
まず、納豆を用意してください、醤油はお好みの量をかけてください、そして、よく29秒間かき混ぜてください。
混ぜるのがしんどいうと感じられた方は、そのままでも構いません。
約29秒間混ぜましたら、残り1秒で全部ご飯にかけましょう。
はい出来上がり。
(うん、美味い……)
健康的な朝ご飯を食べ終わった俺は、またテレビの前のソファーに座る。
リスポーンしますか?とういう場所があるのでコントローラーを右に倒し、Aボタンを押す。
また画面が真っ白になった。
ヒューーーー!
「(また標高千万メートルからか?)」
バジャン!
「おっ」
今度は音も違うし、GAME OVER の文字が出てこない。
画面に少しずつ色がついてきた。
このゲームが神ゲーと言われてる理由に、このゲームの全てのグラフィックがめちゃくちゃリアルだというところがある。
(さあ素晴らしい景色とご対面……!)
と思っていたが……
(あれ?画面の周りが茶色い……。あっ、ここって……)
非戦闘エリア人気ランキング第一位を2年連続で獲得し続けている
「肥……溜め……じゃん……」
説明しよう。
この世界で言う肥溜めとは、このゲームの非戦闘エリアと言われているエリアに当たるものなのだ。
要するに、魔物にも攻撃されないし、プレイヤーにももちろん。
この肥溜めに入っていれば絶対に攻撃されないのだ。
けど、その代償は大きい人には、大きい……
「うぷっ……」
このゲームはグラフィックが超リアルだ。
ということは……肥溜めにある汚物も、超リアルということだ。
(画面に茶色いものが……)
Bボタンを連打してなんとか肥溜めから出る。
そしてトイレに向かってBダッシュ。
(あっ、もうダメや。)
「うぷっ!?」 キラキラ~☆
さっき食べた畑の肉ぶっかけご飯が全て胃から出てしまった。
「最悪だ……」
幸い、
全て便器には収まったが……
「二度と見たくないな……」
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