第39話 初雪
屋根を白く染めた初雪
地元ではどか雪・べた雪、さまざまな呼び方をされ、私のような若い人は性別関係なく雪かき人員である
しかし、下宿先では滅多に雪は降らないSSRくらいの出来事らしい
朝早くから近くの家の子どもが騒いでいる声がした
「ゆきだああああああ!!!え、つもってない…これじゃサンタこないじゃん!!」
サンタは来ます
私が保証する
サンタはこどもの味方
業務委託を受けてる人たちのセンスや状況にもよるけれど
少なくともきみのお家はサンタさん来るから
そう思い、私は少し感傷的になった
ニュースを見ると、嫌なニュースばかり
今日見た夢を思い出す
「いじめ」
私はいじめられていた
証拠を固め、日記をつけ、いつ誰に何をされたか、いろんな証拠を幼いながらに揃えた
今でも残してある
それを見ると、懐かしさと同時に涙が溢れる
「○月×日 今日はとうさんと公えんにいった。すごいたのしかった!
あのね、Aくんのものがかくされていたのに、それをわたしのせいにされたの
わたしなにもしてないのに
せめられてつらかった
なんで?
なぎさより
おへんじ いいなあ〜!おかあさんもおしごとやすみの日にいっしょにいきたい!
なぎさ、つらかったね
かなしかったね
くやしかったね
おかあさんもおなじことをされたことがあるよ
でもね、ぜったいになぎさがやったっていったりみとめたらダメ
おかあさんとおとうさんはなぎさがそんなことしないのわかってる
くやしいね
おかあさんはなぎさのことだいすきだからね
おかあさんより」
(一部抜粋)
「△月○日 カンニングをしたって言われた。そんなことしてない。漢字テストで100点とったら言われた。なんどもしてないって言ったのに言われてつらかった。学校行きたくない。
おへんじ つらかったね。カンニングしてないってちゃんと言えてえらいよ。よくがんばったね。お母さんもカンニングをしたって言われて、クラスのみんなの前で立たされたことがあるよ。なぎさは、ぜったいにそういうことをしないようにね。みとめたらダメ。お母さんとお父さんはカンニングしないでべんきょうしているの見てるから知ってるよ。学校行きたくないけど、もう少しだけがんばれるかな?
お母さんより」
どうして、いじめをするクソガキは大体親が権力者だったり公務員だったりするのだろうか
いじめ、とは名ばかりの犯罪だろう
窃盗
器物損壊
公然猥褻
誹謗中傷
脅迫
暴力
軽犯罪法違反
その他諸々
大人がすれば、逮捕され、加害者は社会的地位も失い、更生するまで警察のところにいる
こどもは、加害者が守られ、被害者が泣き寝入りする他ない
子どもを守れるはずの大人が、被害を受けているこどもを守ろうとせず、自分を保守するために加害者を守る傾向にある日本
なんのために、被害者は生きているのか分からなくなる要素しかない
何度自殺未遂をしたか
何度親に止められたか
たったかわいいかわいい平仮名3文字
「いじめ」
それで物事が片付くこの世界
その3文字のせいで人生が狂い、地元が地元ではなくなる人、保護者に成人したことを見せることができない人、この世に命がない人、色んな人がいる
夏頃に実家に居る時にふと地域新聞を読んだ
すると、私に加害を加えていたリーダーのうちの1人が本名丸出し、大学名丸出しで、のうのうと理想の教師論を語っていた
「私は周りに感謝をし、誠実に過ごし、生徒のために動ける教師になりたいです。(要約)」
鼻で笑い、ライターで燃やした
周りに感謝ができて、誠実に過ごして、生徒のために動ける人が、いじめという犯罪をするんだ〜へえ〜
今から教育委員会に証拠持って行こうかな〜
感謝してるのは、「いじめを受けてくれて、私の立場を守ってくれてありがとう」だろう
誠実に過ごせたのは、「いじめを受けてくれたおかげで、両親や親友や先生の前では誠実に過ごせたよ」だろう
そういう人たちの集まりが学校の先生なんだろうな、と私らしからぬ歪んだ考えをしてしまった
私は人格形成の重要期である児童期がクソだったせいで、愛着形成に問題があったり自己肯定感は皆無だったり様々な問題を抱えている
お願いだから
大人は
大人じゃなくても守れる立場にいるなら
お願いだから
弱い立場にいる人を助けてほしい
どんな方法でも良い
盾になれなんて思ってない
亡命するときに第三国を挟むように、誰か違う人を巻き込んでも良いから
お願いだから命だけは助けてほしい
私は今の社会が嫌い
だから、児童期の前の幼児期や乳児期・新生児期の保育に力を入れて関わりたい
そのためにも私は資格を取りたい
みんな平等、とかそんな綺麗ごとじゃない
せめてマイナスにいる子をゼロ地点に
少しでも良いから気にして欲しい
今の小さい子たちは、私の時に比べて、SNSツールが発達し、さまざまな方法で加害ができる
私はまだ何も資格がないからできない
守ることもできない
でもできる人はいる
警察だって、学校の先生だって、保護者の人たちだって、地域の人も、みんな大人で力があるでしょう
私は守ってもらえなかった人だけど
だからこそ言える
今の現状に甘えて、あぐらをかいてる大人より、命かけて守ってくれる大人の方がすごく頼れる
私は守る人になりたい
そう思いながら、やっぱりたばこを吸うのだった
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