第33話 見回りしてくれた人

看護師として私が異動となった、高齢者の方専用の住宅


間もなく開設するという時期にも、1階に入居が始まった時にも

時間は決まっていないけれど、時々2階を歩く足音が聞こえた


2階にはまだ入居の方がいないのに、明らかに歩く足音


(ありがとう。見回りしてくれる人がいるなんてうれしいですよ。)

そう思って、聞こえた時には心でお礼を伝えていた


2階に入居の方が入ると聞こえなくなったが、そうなると2階にいる時に

時々3階から足音が聞こえる


(ありがとうございます。)聞こえた時は、必ず心でお伝えしていた


その後、3階に入居の方が入ると、見回りしてくださる人はこなくなった


たぶん、空から見守ってくださっていると思う







  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る