アルタイカの咆哮

作者 大月行蔵

27

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★★★ Excellent!!!

スマホをスクロールする指が止まりませんでした。大月様はプロの作家様なのでは無いでしょうか。このレベルの作品をネット小説として無料で読むことができるなんて、感動で言葉もありません。読み終わってから、未だに鳥肌が止まりません。星3つでは全く足りません。
プロローグの老人の語りから、早くも心臓を鷲掴みにされます。ロシアから密猟された猛獣が、船で上海へ運ばれる途中日本海に投げ出され、死に体で日本に上陸し、白神山地に辿り着きます。
一方、青森出身の主人公、遠山裕幸は東京に上京し、しかしそこで社会の波に揉まれ、騙され、借金を背負い、四日市に飛ばされ、そこからとうとう逃げ出して、青森の唯一の肉親である祖父善三の元に情けなく戻ります。
一見全く接点の無いようにみえるこの一匹の猛獣と一人の冴えない主人公が、果たしていったいどう関わっていくのか。読み進めていく内にどんどん引き込まれ、ひたすら圧倒されっぱなしでした。あれよあれよと展開していく、しかし読み手を置いてきぼりにはさせない文章力とテクニック、大変勉強になり、しっかりと魅せられました。青森の人々や白神山地を舞台とした小説自体、初めて読みましたので、それもまた新鮮でした。白神山地の美しい情景が、何の違和感も無く目に浮かんできました。
この感動を星レビューで変えさせていただくとともに、素晴らしい作品をご紹介いだいたたイカワミヒロ様にも、この場を借りまして、合わせて心から感謝申し上げます。ぜひ、読んでいただきたい名作です。



★★★ Excellent!!!

ロシアで密猟された猛獣を載せた船が日本海で沈没。
猛獣は日本へと流れ着き、白神山地で人間を襲う。
その頃、都会で借金を抱えた遠山裕之は、
逃げ出して故郷の白神へ帰ろうとしていた。

第二話の裕之が都会で転落していく過程が、
読んでいて嫌になるくらい生々しいですが、
時化の海での遭難も、白神山地の美しさも、
とにかく息詰まるくらいリアルです。
猛獣――アンバの姿を、みなさんも是非見届けてください。