第87話 恋人の片付けを手伝うのも良いよね?
三条家に帰ってきた
しかし此処に帰るのもこれで最後になるのかもしれない、、、なんて伏線を張ってみるが、なんてことない、母さんの家に戻るだけだった
急がば回れということで、早速今日中に荷物を移動させるということになった
というわけで、、、
澪「其処の箱は持っていかないのでクローゼットの前に置いておいてください。 衣類は今まとめているところなので、これが終わり次第玄関への移動をお願いします。 ということで和樹くんはライトノベルをまとめて箱に閉まってくれませんか?」
和「了解しましたぁ!」
大忙しで働いていました、、、
澪さんは完全に本調子に戻ったらしく、出会った頃のようなカリスマを発揮し、的確な指示をしていた
、、、俺に指示を出しながら、且つ俺以上の手際で片付けを進めていたというのが、何というか澪さんらしい
家がお隣だったという事実が完全に予想外だったからなのか、帰省中は澪さんらしくない行動が目立っていた
それでもなんとか持ち直してくれたのが嬉しい
だから目まぐるしく動いている今も、とても幸せに感じてしまう
、、、俺がMというわけではないので勘違いはしないでくれ
30分後、綺麗にまとめられた荷物が其処にはあった、、、
もはや芸術の域に達している、、、ちょっと澪さん、調子取り戻し過ぎじゃないですかね、、、
澪「やっと終わりましたね。 和樹くんに手伝って頂いたので早く終わりました。 こちらはお礼のジュースです。」
和「ありがと。 澪さんもお疲れ様。」
澪「いえいえ、私がしたいと思ったことですし、、、あなたが手伝いたいと仰ってくれて嬉しかったです。」
フフ、何を当たり前のことを言っているのだ?
和「彼女の片付けを手伝えるのは、彼氏の特権だからね!」
澪「そうですか、ありがとうございます。」
和「あれ、ちょっと淡白、、、」
今までなら照れてたところなんだけど?
澪「私も成長したということです。」
和「う〜む、、、」
照れさせれなくなったら、俺が負けっぱなしになってしまう
、、、冷めちゃったのかな、、、
澪「ですが勘違いなさらないでくださいね? 和樹くんへの愛情が消えたわけではありません。 寧ろ覚悟が決まりました。」
冷めたわけじゃなかったのか、、、良かった!
和「へぇ、どんな覚悟?」
澪「言ってしまっては揺らいでしまうものが覚悟というものです。 内緒ですよ? 、、、ですがヒントはあげます。 あなたに関することです。」
えっ、余計気になってしまうんですがそれは、、、
和「焦らすのも上手くなったとか、一生敵わない予感、、、」
澪「いえ、そんな事はありません。 心の中では、和樹くんのカッコよさに叫んでます。」
和「ッ! 、、、澪さん強すぎ。」
テストで2位を獲り、完璧な彼女に少しでも近づけた気がした
彼女が照れる姿がいじらしく、心を近づかせることが出来たと思う
でもまだまだだな、、、
近づいたと思ったら、澪さんが前に進んでまた遠くなる
かつての俺なら、ここで自身をなくしてグダグダになっていただろう
今も少しネガティブになっているが、、、少しは前向きに慣れている、気がする
だって、彼女に負けたくないなんて思うようになってるから
勿論それが険しすぎる道で、途中で挫折する可能性があることも理解している
とんだ夢物語で、理想を口にしているだけだ、、、単に、ここまできたならやり切るしかない、と自暴自棄になっているだけかもしれない
それでも、ほんの一歩だけでも、前に進んでいこう
それが彼女と共に居れるための唯一の方法だから、、、
澪「、、、樹くん? 和樹くん? どうしましたか?」
和「、、、あ! うん! 大丈夫。」
澪「旅行の疲れが引いていないのでは? お父さんが車を出すでまだ時間があります。 ベッドで少し休んでは如何ですか?」
和「いや、本当に大丈bワッ!?」
視界がいきなり変わり、気づいた時には天井を見上げていた
背中にはスプリングの感触、体の上の重み、そして天井、、、ここから導き出される結論は!
和「、、、俺は彼女に押し倒されたのか。」
澪「今は休んでください。 これは彼女命令です!」
和「突如現れた謎の命令権、、、」
俺のお腹の上にまたがる澪さん
なんとなくイケナイコトをしている気がするのは何故なんだ?
澪「彼女命令を破った場合、ペナルティが発生します。」
和「、、、どんな?」
澪「彼氏は一日中、彼女とくっついて過ごさなければなりません。」
和「もはやご褒美なんですが。」
俺にくっついている澪さん、、、最高かよ
澪「とにかく今は休んでください!」
和「、、、分かったよ。 ありがとう。」
澪「おやすみなさい。」
彼女が身体の上から退き重みがなくなると、俺はすぐに眠りについた
澪さんは言う通り、本人が思うより俺は疲れていたらしい
意識がなくなる直前に感じたのは、隣りにある人の温かみと、頬への柔らかな感触と、胸を優しく撫でられたくすぐったさだった
恥ずかしがる余裕は既に無く、そのままゆっくりと意識を落としていった、、、
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