第84話 好きって言ってるところを身内に見られたら恥ずかしいよね?
ふむ、、、何故澪さんはあんな反応をしてたんだろうか
やはり短パンが苦手だったのだろうか?
足を見せるのが嫌だったとか、、、いや、でも水着は大丈夫だったし、、、
、、、分からぬ
ま、俺も着替えますかね
澪「入っても大丈夫ですか?」
着替えたと同時に澪さんがやって来た
和「良いよ。」
澪「失礼します、、、って和樹くん、しゃがんでどうしましたか? そして何故かこの光景に既視感があるのですが。」
和「いや、その、澪さんのショートパンツ姿が魅力的だったから悶てる。」
澪「、、、そうですか。」
今はT-シャツにショートパンツといったラフな格好をしているのだが、家では膝まで隠れる服をいつも着ているから、太ももまで見えてしまう格好は初めて見た
何より、完璧な澪さんがラフな格好をしているのが新鮮でドキッとした
和「澪さんはどんな服でも似合ってるね。」
澪「ありがとうございます。 和樹くんもカッコいいですよ。 筋肉のついた足に男らしさを感じてドキッとしちゃいました。」
和「そ、そう?」
確かに昔はスポーツをしていたが、今もまだ筋肉があるのか、、、
良かった、筋肉がキモいとか言われなくて
澪「はい。 和樹くんは比較的ラフな姿でいることが多いのですが、改めて見てもカッコいいです。 それにーー」
和「、、、凄い褒めてくるね。」
いつもはこんなにも攻めてこなかったのだが、、、
澪「ッ! すみません、気を悪くさせてしまいましたか?」
和「違う違う! その、澪さんが俺のことを見てくれてるんだなぁ、って思って、嬉しかったんだよ。」
澪「喜んでいただけたなら幸いです。 、、、和樹くんは、いつも私のことを褒めてくれますよね。 デートの時も、プールの時も。」
和「そう、かな?」
事実を伝えているだけなのだが
澪「そうなんです! 、、、そんな和樹くんを見て、『私のことを見てくれている』と感じまして。」
俺も同じ気持ちになった
澪「嬉しくなると同時に、和樹くんは人の良いところを見つけることができる人なのだと分かったんです。 和樹くんは自分のことを悲観的に見てしまっているようですが、それは人の良いところを多く見ているが故にそう考えているのではないでしょうか?」
和「ッ!?」
そうなの、かな、、、
澪さんに言われるまで、そんなふうに考えたことは無かった
いや、でも、、、
和「ううん、俺は事実を言っているだけ。 仮に澪さんの言う通りだとしても、その情報を自分と比較して落ち込んでるのは俺の責任だから。」
澪「、、、」
和「でも、そんなふうに思ってくれてありがとう。」
今までネガティブを治そうとしてきたし、最近ネガティブになる回数も減ってきてる
ネガティブになることは悪いことだと決めつけて、それを抑えてきた
それでも、彼女はネガティブを肯定的に捉えてくれた
そんなの、俺が百年かけても思いつかない
、、、ほんとに、ありがとう
澪「こちらこそ、ありがとうございます。 いつも見てくれていて。 褒めてくれて。」
和「イヤイヤ! 俺の方が澪さんに感謝してる!」
澪「いえ、私の方が和樹くんに感謝を伝えたいです!」
和「俺の方が君を見てる!」
澪「私の方が貴方を見ています!」
和「俺の方が澪さんを愛してる!」
澪「私の方が和樹くんを愛してます!」
和・澪「フーッ、フーッ、、、」
お互いにヒートアップして沢山言い合った
そして冷静になった俺たちは気づいた
さっきから誰かがこちらを見ていたことを
源「いや、二日酔いを直そうと散歩に出かけようとしたら、好き好き合戦が始まっとったから儂は悪くないもん、、、」
秀「僕も、、、」
七・楓「「私も、、、」」
俺と澪さんは顔を見合わせる
そして完璧に同じことを思う
そして全力ダッシュで逃げた
和「ハァッ、ハァッ、、、あー恥ずかしかった!」
澪「ハァッ、、、私もです、、、」
息も絶え絶えで満身創痍だ
こんなに走ったのって久しぶりだよ、、、
澪「これからどうしましょうか。」
和「そうだなぁ、、、川に行く?」
澪「フフ、そうですね、汗もかいちゃいましたし。」
やっと当初の目的である川に行くことになったのだ
話しながら足を進める
和「こんな感じで汗をかくつもりじゃなかったんだよなぁ、、、」
澪「でも、皆さん元気そうでした。」
和「確かに。 昨日あんなに飲んでたのに、もう元気にしてたね。」
昨日はたくさん飲んで酔いつぶれてたのに、二日酔いが治った雰囲気だった
澪「そうなんです! 私達はお母さんたちの元気を作ったのです!」
和「お、おぉ、、、」
顔を近づけてくる彼女の迫力が凄い、、、あ、でも顔赤い
澪「、、、そうでも思わないと、恥ずか死しそうです、、、思い出してきたらまた恥ずかしくなります!」
和「、、、でもさ、俺は、嬉しかったよ?」
澪「ッ! 、、、私も、胸に強く響きました。」
その後、暫くお互いに顔を見られない状況が続き、、、
和「、、、あ、見えてきたよ。 懐かしいなぁ。」
澪「此処も変わりませんね、、、」
こうして、紆余曲折ありながらも、川に到着できたのである
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます