第36話 恋人をからかうのも良いよね?



 、、、気不味い


 こんな気まずさは初めて澪さんの部屋に入ったとき以来だ


 だってファーストキスだぞ!



 耐えきれなくなったように、口ごもりながら澪さんが言った


澪「あの、その、ど、どうでしたか?」


和「どう、とは?」


澪「は、初めてだったのですが、き、気持ち、良かったですか?」


 不安なのかな。 まぁホントは俺も少し不安だ


 お互いに初めてだから心配なところがあるんだろう


和「大丈夫、気持ちよかったよ。」 


澪「な、なら良かったです。」


 安堵した表情が少し嗜虐心を掻き立てる


和「うん、、、もう一回したいくらいね?」


 ちょっとイタズラをしてみる


 案の定、澪さんは更に顔を真っ赤にした


 そろそろ冗談だって伝えy『なら、、、もう一回しませんか?』


 え?



澪「その、私も気持ちよかったですし、こ、こういうことはあんまりできないと思いますし、和樹くんも、も、もっと気持ちよくなって欲しいですし。」


 これはしてやられたな


 いや、つまりながら言ってるし、これは天然か?


 まぁでも、ここで終わるわけにはいかない


和「なら、澪さんからしてね? あ、逃げたらダメだよ。」


澪「ふぇっ!?」


 赤ちゃんみたいな声が出てる


 うん、澪さんは可愛い


和「それに2回目なんだし、違うシチュエーションでしてくれるんだよね?」


 澪さんは沸騰しそうなくらいに顔を真っ赤にして、少し俯いた


 うん、澪さんは可愛い(これも2回目)


澪「分かりました、、、目を閉じてくれませんか?」


和「了解。」





 目を閉じて5秒くらいした頃かな


 俺の体が何かにふんわり抱かれた


 、、、まだ澪さんは掛け布団出してなかったよなぁ


 少し目を開けて確かめる



 目の前には、彼女の寝間着が見えた


 どうも、俺は澪さんに頭から抱かれているらしい


 これは予想してなくて、俺はフリーズした


 まぁ許し給え、諸君


 だって彼女の母性溢れる姿だぞ?


 男なら誰でも憧れるシチュだぞ!?




澪「今日は相談に乗ってくださって、ありがとうございました。」


 澪さんの声で正気に返る


澪「和樹くんのお父様の事情を聞いて、お母様からの信頼を得なくちゃいけなくて。どうしようか悩んで抱え込んでいたのに、和樹くんの負担になるのが怖くて自分から相談できませんでした。」


 同じだ、ネガティブになっていたあの頃の自分と


 母さんの負担になるのが怖くて、相談できなかった自分と


澪「だから、相談に乗ってくださって本当に嬉しかったんですよ?」



和「俺も嬉しかったよ、相談してくれて。 だからこそ、一つ約束をしないか?」


澪「約束、、、ですか?」


和「『一人で悩まずに、お互いに相談すること』」


澪「良いですね、その約束。」


和「でしょ?」



 これからたくさんの困難が俺たちを襲うかも知れない


 この約束はそれを二人で乗り越えるために必要なことだ



澪「和樹くんが困っていたら、私に相談してくださいね。」


和「ありがとう。 澪さんも、遠慮なく相談してくれ。」


澪「ありがとうございます。」





 澪さんの気持ちが楽になったそうだし、そろそろ寝ようかな、


 と思ったら、腕を掴まれた


 あれ? なんかデジャブ、、、、、



澪「待ってください。 まだキスしてません。」


和「それまだ続いてたの!? 冗談のつもりだったんだけど、、、」


澪「、、、、、和樹くんは、私とキスしたくないんですか?、、、」


和「そ、そりゃしたいけど、、、」


 明日は休日とはいえ、もう一回キスしたら興奮で寝れなくなりそうだ


澪「へぇ〜。 眠れなくなっちゃう、ですか、、、」


 こ、これはあのときの菊と同じ雰囲気がするっ!




澪「、、、、、和樹くんっ♡」


 そう言いながら飛びついてきた


 ガ、ガッチリ掴まえられて離れられない、、、


澪「和樹くん、好きです!」


 トドメにキスをされた


 それも、長い時間



 一生続くかと思われたが、気が付くと澪さんの唇が離れていた


澪「どうです? もっと気持ちよくできましたか?」


 そういう澪さんは少し息を荒くして、とても扇情的だった


澪「、、、じゃあ寝ましょうか?」


 急に!? この流れで!?



和「あの、このままじゃ寝れないというか、、、」


澪「なら、寝るまで頭を撫でてあげます。」


 、、、ええい! ままよ!!


和「なら、よろしくね。」


 そう言って俺はベッドに横になる


 澪さんも横になり、俺の頭をゆっくり優しく撫で続けてくれた


 想像より澪さんの寝かしつけは心地よく、睡魔の波が押し寄せてきた


澪「、、、おやすみなさい、和樹くん。」


 その声をきっかけに、俺の意識は落ちていったーー








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<By GameMan>


 次回、澪視点2回目です


 ファーストキスを果たした二人


 澪がどんな気持ちだったのか書いてみます


 こちらも楽しんでいただけたら、幸いです

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