第12話 真面目な子が小悪魔的でも良いよね?




 澪さんから告白された


 なんだこれ?


 意味ははっきりわかるのに、頭が回らない


 えっと、俺は澪さんのことを好きで、澪さんも俺のことが好きで、付き合いたいと思ってt『キーンコーンカーンコーン』




 チャイムの音で強制的に現実へ戻された


澪「今はここまでのようですね。 返事をすぐには求めません。 放課後、またここへ来てくれませんか? できればそのときに返事をお願いします。」


和「は、はいぃ。」


 情けない声しか出なかった


澪「クスッ。 やっぱり和樹さんは面白いですね。 ではまた放課後に。」










 重い足取りで教室に帰ったら、案の定遅刻した


 まさか狙っていた女の子に告白されるとは思っていなかった


 授業の英文が頭を通り抜ける


 まさか澪さんがあんなにも積極的で、小悪魔みたいだとは思わなかった


 これがギャップ萌えってやつか?



 でも違う!


 今考えるべきはそこじゃないんだ


 澪さんの告白に対してだ



 両思いの観点から言えば付き合うべきなんだろう


 だけど俺の悪い癖というか、またネガティブに考えてしまう


 『俺なんかでいいのか』『ドッキリじゃないのか』『みんなの反応は』


 答えが決まらず、5時限目が過ぎる。 ノートはまともにとっていない




 俺は急いでスマホを出し、頼りになるあいつに電話をかけた




和「なぁ、澪さんから告白されたんだけど、どうすればいいんだ?」


菊「自分で考えろよ、バカ。」


和「待ってくれ。 今回は大マジだ。 俺も澪さんのことは好きだが、『俺なんかでいいのか』と思ってる。」


菊「はぁ? なにそれめんどくさ。 付き合えば良いんじゃないの。」


 投げやりな答えにイラッと来る


和「なんだよ! もうちょっと真面目に考えてくれてもいいだろ!」


菊「うるさいッ!! 最近ずっと澪さん澪さんって! 少しは私のことを見てくれてもいいだろ!!」


 怒鳴り声が聞こえてきて、菊は電話を切った




 、、、、、、、、、頭が痛い


 澪さんも、菊も、何を考えてるのかわからない


 もう、何も考えたくない


 






 そうして俺の視界は暗転した










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