後唐演義

作者 崩れ

李嗣源はいいぞ

  • ★★★ Excellent!!!

いや、実は五代十国にはまるで明るくなく、「トンデモ皇帝のオンパレード」くらいにしか考えていなかったのですが……実際に事績を見ても、「なんでこの人こんなに名君なの?」みたいな感じです。十国のほうにもちらほら頭おかしいレベルの名指導者がいたりして、何なんでしょうねこの時代。こんど十八史略で調べてみます!

それにしてもショッギョムッジョが過ぎますね、五代十国。それにテンポが異常に速い。五胡十六国に慣れてる身からすると、それでも世代交代的なものは頻繁なんですが、わりと同世代でバカスカ代わっていく。例えば当作中に、こんな記述があります。

 養子の李従珂、娘婿の石敬瑭に
 補佐させることにしたが、
 どちらもひっくり返す気は満々じゃろう。
 儂が死んでからのことは
 儂にはどうにもならぬ。
 馮道を見ながら上手く立ち回れ。

そもそもにして李嗣源の即位が晩年。そして死後は李嗣源の予見通り、石敬瑭が幅をきかせて無事キタイ=遼に雲燕十六州をプレゼント。このオモシロ割譲劇は、その後五代十国を終了させた宋を大きく蝕むことになり。

李嗣源という「やや最前線ではない人」を語り部に置いたため、却って唐末~五代書の混沌期を鳥瞰できるところがあり、「とりあえず物語でこの辺りを覗いてみたい!」方向きだと思います。朱全忠、李克用、李存勗。そして耶律阿保機。英雄と呼ぶにはいろいろドギツい、異常に濃いメンツと、ぜひ出会ってみてください!

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