ロシアっ子最強の水着姿
あと少し。
あとほんの少しで俺からリアにキスを。
だが、俺はリアの唇を前に止まってしまった。思うように勇気が出なかった。……くそっ、なんでだ。してもらうのは平気なのに、自分からするのはこんなにも難易度が高いのものなのか。
「……」
いや、そうじゃない。
勇気とかそういうので誤魔化していただけだ。本当は俺からするのが恥ずかしかったんだ。俺がリアに相応しいのかも分からなかったし、好きという感情も最初はよく分からなかった。
――でも。
一週間経過した今なら、リアが好きだって……自分がきっと相応しいんだとも思えるようになった。だから、今しかない。大切なのは今なんだ。
ぐっと手に力を
考えすぎたせいか、リアは
◆
キスゲーム終了。
帰宅部としての活動を終え、下校。
「もしかしたら……って、思ったんだけど、わたし、我慢できなかったの、ごめんね大二郎」
落ち込んでいた俺を励ますリア。リアルタイムで顔とかに出ちゃっているらしい。……あと少しだったんだがなあ。
残念ながらタイムアップ。
今すぐリベンジするという手もあるが、俺は時と場合を選ぶ自称紳士。下手にリアにキスして嫌われたくもなかった。
「いや……最高の時間を過ごせたよ。とにかく、舞阪駅へ向かおう」
談笑しながら、舞阪駅へ。
電車に乗って弁天島駅に到着。いつもと変わらない青々とした、けれどもオレンジに染まる湖の景色が広がる。
「今日はなんだか観光客が多いね」
「そうだな、リア。今日は暑いからな、海水浴目的が多いだろうけど『潮干狩り』も結構いるんだぜ」
「潮干狩り~?」
ああ、そうかロシアには馴染がないかもな。
「砂浜で貝を採るヤツな。ほら、映像」
俺はスマホで動画を見せた。
直ぐに理解するリアは「これね!」と笑う。
「動画を見たら思い出した。ロシアにもないわけじゃないけどね」
「そうなのか。まあ、この弁天島は釣り人や潮干狩り、海水浴やら観光客で賑わうからな。この時期は仕方ないさ」
「そういえば、まだ海水浴はしてないから早く行きたいね。水着もちゃんとは見せてあげられてないし」
そうだな。風呂場で少し見たけど、気絶したせいで記憶が
「リア、御存知の通り、家から海水浴場は近い。少しだけ遊ぶか」
「ほんと~! やったー! 大二郎に水着を見せてあげられる~♪」
リアはめちゃくちゃ喜んで抱きついてくる。よ~し、短い時間だけど思いっきり泳ぐか~!
アパートへ戻り、各々の部屋で着替えた。歩いてニ、三分の場所だからな。自分の部屋で着替えてそのまま向かう方が手間も省ける。
俺は、サーフパンツに着替えて玄関でリアを待った。女の子は準備に時間が掛かるものだ。その間、俺はスマホをチェック。
タイムラインに『いつものカフェでコーヒー購入♡』という写真付きの日記があった。これは、あずさだ。アイツは今、カフェにいるらしい。
その手にはテイクアウト用コーヒーカップを手にし、バイクに
なんて考えていると、リア登場。
「お待たせ、大二郎」
「…………」
こうして外で見るとまた違った世界観があった。……おいおい、風呂で見た雰囲気と全然違う。中と外ではこうも見え方が変わるのか!
風で
そして、俺的最高ポイントの……おへそ。きゅっと引き締まった無駄のないウエストに収まる形のよいおへそ。なんてそそる……いかん。ついついエロい目で見てしまった。猛省せねば。
「大二郎のえっち♡」
「…………負けました」
素直に敗北を認めた。
こんな完全無欠のロシアっ子に勝てるわけねぇ~! どんな男もイチコロだよ。
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