最終章 ポスティング
第153話 驚天動地
【乱神】 佐藤直史専用スレ part771 【大サトー】
22 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
>>1 乙と言わざるをえない
23 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
えげつねえ
なんなんだこのスレの進み具合は
24 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ここは誰、今はどこ、私はいつ
25 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
やっと落ち着いてきたか
26 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
認めたくない~
27 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ありえへんやろ
ありえへんよな?
28 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
いやもう公示されたっていうことは確定ということで
そんでこの時期ならMLBのおおかたのチームもまだ編成が可能で
つまり移籍は99%確定っていうことだな
29 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ワイは神宮からおっかけてるんやで!
30 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ワイは甲子園や
31 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
千葉県出身のワイ大勝利
32 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ワイの三連星
33 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
www
34 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
なんかワロタ
35 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
でもどうすんのこれ~
どうしてなんこれ~
36 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
大サトーの記者会見の限りでは
・プロ入りの時点からMLB移籍を考えていてそれを前提とした契約にしていた
・契約の条件を満たしたため、今年チームもポスティングを認めた
これだけで何か分かるか?
37 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
今思うとレックスだけが大サトーを指名したってのもおかしいな
ひょっとしてポスティングの早期可能な球団だけにプロ入りの情報を流したとか?
これって野球協約に引っかからんかったか?
38 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
それがさっぱり分からんのじゃあ!
なんでこんな早く出ていくんや……
レックスの救世主よ……
39 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
>>37
当時既に社会人の大サトーには関係なし
まあレックスの話だけなら来年も小サトーと樋口はいるだろうし
金原と佐竹も長期契約だし
リリーフ陣がちょっと心配なのか?
40 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
普通の先発三人と勝ちパターンのリリーフ二人分の価値とはよく言われるな
warとかで計算したんだっけ?
41 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
投手五冠の沢村賞二回の投手をどうやって穴埋めしろと?
42 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
今年の大サトーの勝ち星全部負けにしても77勝65敗だ
クライマックスシリーズには出られるな
43 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
樋口と小サトーが長期離脱しない限りは大丈夫か
44 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ちゃうんねん
ワイは甲子園で投げる大サトーを見たいねん
アメリカなんかで投げてもどうでもええねん
45 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
どうでもはよくはないがアメリカに行ってもどうせ変わらんだろ
またパーフェクトするに決まってる
46 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
大サトーの一番の弱点はスタミナやからな
メジャーの日程に果たしてついていけるか
47 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
スタミナやからな (キリッ www
48 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
スタミナが弱点なんていまだに言ってるやつおんの?
去年の日本シリーズどうやった?
今年の中四日どうやった?
49 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
まあメジャーは移動がきついとは確かに言われるけど
スタミナが弱点はないやろ
50 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
スタミナねーやつが真夏の甲子園で15回パーフェクトして翌日完封とかしねーよ!
バカはもうどっか行ってろ!
51 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
もちつけ
なんかちょっと攻撃的な書き込み多いぞ
信者よ 心の平穏を取り戻すのだ
52 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ご神体が海の向こうに持っていかれるとかならさすがに狂うやつもいるだろ
53 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
え~、やだな~
まさかイリヤみたいに殺されたりしないよな
54 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
いや、日本でさすがにそれはないと信じてる信じてる君を信じさ~せて~
55 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
古すぎるわ!
野球ファンはジジイばっかか!
56 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ババアの可能性も微存
57 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
まあ3000万$の価値はあるからあとはどこが乗り出してくるか
ラッキーズとかどうよ
58 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
ぜいたく税払いすぎてるからな
去年井口取ってなかったらありえたかもしれんが
同じ理由でトローリーズもない
59 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
まさかメトロズはねーだろーな
いや、めっちゃ見たいけどw
60 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
さすがの大サトーも肩身が狭すぎるwww
61 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
SSコンビで117勝や!
62 名前:代打名無し@実況は野球ch板で
なんかアナハイムに決まったって出てる
~~~
ポスティングシステムというのは、FA権をまだ持たない選手が、球団にお願いしてMLBに対して値段をつけてもらうシステム、と考えたら分かりやすいか。
ただこのシステムは外国人のFA権と一緒で、球団の戦力均衡を難しくしている。
そのため一時期はポスティング公示額に条件が定められ、貧乏球団にもある程度の獲得の機会があった。
だがこれは逆に選手にとっては、また選手を手放す球団にとっては旨みが少なく、現在でもたびたび改訂がなされている。
直史の場合、プロ入りしてまだ二年である。
だが以前に改訂された条件によって、27歳以上の選手は高額の契約金での契約が可能になっている。
なおNPBを踏み台にしてメジャーデビューをするなら、高卒選手が25歳以上6年以上のプロ経験というのが、一番条件面では美味しい。
日本の球団側からすると、高卒選手は七年、大卒選手は六年で、ポスティングに欠けることが多い。
直史の場合は入団時の契約に、ポスティングの実施時期が明確にしてあった。
なので二年目のこのオフに、ポスティングの対象選手として公示されたのである。
レックスファンやナオフミストからは悲鳴が聞こえたが、直史はそもそもファンにはあまり優しくない。
地元の千葉県の人間に対してなどは、サービスをすることは多かったのだが。
つい先日、ワールドチャンピオンチームをパーフェクトで封じた選手が、アメリカに来るのか。
なんというタイミングだと、多くの人間が思っただろう。
かなりの部分を演出したセイバーでさえ、こうまで劇的に事態が進行するとは思っていなかった。
直史の実力は知っていても、野球においては統計でミスが出る。
そんな確率論をねじ伏せたのが、直史のピッチングだった。
移籍においてレックスが提示した金額は、まず5000万ドル。
これはまず純粋に移籍のためだけに、MLB球団からレックスに払われる金額である。
実績からするとまだ安い、と言う人間もいたが、逆である。
実績が直史は少ないのだ。
確かに日本では、アマチュア時代も通じてプロでもすさまじい実績であった。
だがメジャーリーグにおいては、三年数字を残して一人前、という考え方が主流である。
三年間メジャーで稼動したら、年俸調停権を得られるからだ。
この場合の直史とは、関係のない権利であるが。
多くの球団が興味を示したが、すぐに交渉に入るかは迷った。
その中で特別に早く判断したのが、根回しの済んでいたアナハイムである。
アナハイム・ガーディアンズ。
ロスアンゼルス近郊の都市をフランチャイズとするこのチームは、メトロズ以前に直史の洗礼を受けたチームだ。
もっとも選手たちはそれを知らない。一人を除いて。
それにあの当時の選手も、かなり入れ替わりが激しいのがMLBである。
既に準備を整えていた直史は、すぐさまアナハイムへ向かう。
そこでセイバーの準備していた代理人と会い、契約に入るわけだ。
直史は大介と違って、二人の妻の援護を受けてはいない。
だがその分セイバーは、代理人との出会いにも同席したわけである。
カリフォルニアはさすがにハワイとはくらぶべくもないが、この時期にも充分に暖かい。
直史はここでまず、メディカルチェックを受ける。
これは念のためというもので、さすがに滅多に引っかかる者はいない。
むしろ驚かれた。
「骨密度が高く筋肉の柔軟性が素晴らしい」
いや今更?という感想であるが。
フロント陣との話も済ませて、職場のスタジアム内部を見せてもらったりするが、これは既に経験している。
思えばあの時は変装に違和感があって、ちょっと心配になったものだ。
収容人数約45000人。
改修は繰り返されているが、半世紀以上の歴史を誇る球場。
だが神宮の歴史に比べればたいしたことはない。
ましてや甲子園に比べれば。
……なお意外なことに直史は、神宮も甲子園も、歴史にほとんど差はないことは知らなかった。
ともかくそんなわけで、別にスタジアムに来ても、何もプレッシャーなどは感じなかった。
ぽんぽんと話が進むのは、根回しの良さによる。
あとは契約の内容である。
契約金500万ドル三年3000万ドル、ただし球団側にカットの権利あり。
そしてインセンティブだが、これは実に付けにくいものだ。
NPB時代は勝利数やHQSなどの数でインセンティブが付いていた。
だがMLBの場合は勝利数や防御率などは、純粋なピッチャーの実力とは微妙に差異があると考える。
なので勝ち星が貯金一つしかないピッチャーが、サイ・ヤング賞に選ばれたりもする。
バッターと違ってピッチャーは、負けないことは可能であるが、自分だけの力で勝つことは出来ない。
そして負けないためにも、守備陣が必要なのだ。
あとはオールスターなどに出たら、という条件も厳しい。
MLBは全世界配信のため、日本からの集団票が集まる可能性がある。
それではちょっと有利ではないか、という考え方があるのだ。
ただしチームとして運用するのに、大切なことはある。
長いイニングを投げられるか、ということだ。
守備陣による援護ということがあっても、コンスタントにクオリティ・スタートで投げてくれればありがたい。
また年間100イニング以上は投げて欲しい。
もっともリリーフとして使われたら、100イニングに到達しないこともある。
基本的にはリリーフとしてではなく、先発として使われる予定であるが。
アナハイムのGMであるブルーノは、いささかならず頭を悩ませていた。
この球団には根本的な問題が一つある。
それはオーナーが口を出しすぎるということだ。
ワンマン経営によって利益を出して、球団の価値を高めたのはいい。
だが人気選手の獲得などを考えて、純粋に優勝に必要な戦力などとはずれた選択をするのだ。
ただ今回の場合は、それほど反対する要素はない。
アナハイムは現在、先発のピッチャーが足りていない。
直史は先発としての実績がほとんどだ。アマチュア時代には多くのリリーフもこなしているが、基本は先発のピッチャーである。
しかしチーム事情によっては、リリーフに回ってもらう可能性もある。
そのときに100イニングに行かなければ、それは選手側からしたらちょっと、という話になるだろう。
ある程度の調整を進めていって、約一週間。
インセンティブなどの他に、通訳や住居、日米間移動の航空費、家族用のパスなどといった、直史は慣れた分厚い契約書が用意される。
これに全部サインをしていかなくてはいけないところが、アメリカ社会である。
腱鞘炎になるのでは、と直史は少し休みながらサインをしていくことになるだろう。
インセンティブは日本時代とはかなり変わったものとなる。
速やかに決まったのは、以下の通りである。
・200イニング登板で100万ドル
・200三振で100万ドル
・サイ・ヤング賞で200万ドル
・ホールド、セーブは一つごとに10万ドル
これはホールドやセーブのリリーフをすれば、50セーブで500万ドルになってしまうが、チームは直史を先発として使うという意思表明だ。
リリーフで使ってしまうとイニングや三振が増えないため、もしもそうなってしまった時のために、リリーフ投手としてのインセンティブを多く作ってあるということだ。
日本であれば勝利数、HQS、各種タイトルでインセンティブがついていた。
ただし色々取ったところで、日本でのインセンティブは二億ほどであった。
ほぼ全てのタイトルと表彰を得ても、二億ほど。
しかもほぼ確定とは言え、まだ完全に確定したわけではない。これから日本に帰って、発表はされるわけだ。
今年の直史は、235イニングで341奪三振。
もしもMLBで同じことが出来るなら、インセンティブを達成出来る。
現在の円ドル相場を考えると、その二つを達成するだけで、ほぼ同じ金額となる。
そしてそれだけ多くのイニングを投げて三振を取れば、サイ・ヤング賞の有力候補には間違いなくなるだろう。
直史は金の大切さをよく知っている。
なので下手に鷹揚なところを見せるわけもない。
「シーズンMVPを取ったらどうなんだ?」
「直史君、NPBはともかくMLBでは、ピッチャーがシーズンMVPを取ることは滅多にありません」
「ごく稀にあるなら、それも条件に付けて欲しい」
「いいだろう。MVPなら……200万ドルだ。不服かね?」
「結構です」
GMのブルーノの頭越しに、直史とモートンとの間で条件が加わった。
「新人王やゴールドグラブは?」
「それらの達成はさほど球団の利益にはならない。その程度は君なら可能な範囲と考えている」
日本でゴールデングラブ賞と呼ばれるMLBのゴールドグラブは、さほど重要視されないらしい。
新人王も確かに、既に他のリーグでは結果を出している選手なのだ。
「オールMLBチームは?」
その質問に、モートンは大笑いした。
オールMLBチームはそこそこ最近作られたもので、ベスト9に感覚は近い。
「いいとも、選ばれたら100万ドルだ」
直史の実力はともかく、シーズンを通してずっと調子を維持することは不可能だ。
モートンはそう考えているし、GMのブルーノもそれは同様である。
直史はそこでちゃっかり、サイ・ヤング投票三位以内で100万ドル、MVP投票三位以内で100万ドルという条件を加えていた。
故障などで数試合は欠場することは、さすがに考えていたのである。
直史は高校時代も大学時代も、休みなく連戦を続けるという無茶なスケジュールだけは、経験したことがなかった。
なので単純なスタミナや集中力ではなく、バイオリズムが崩れることはありうると考えている。
ともあれ全ての条件を満たしたら、700万ドルが加わることになる。
初年で1700万ドルという契約は、ありえないほどのものであった。
ここにWARの数字なども加えても良かったのだが、それは計算式がいまだに統一されていない。
「ともあれ年俸は今年の10倍か」
まさにアメリカンドリームだな、と直史は皮肉に思ったものである。
帰国の飛行機に乗りながら、直史は考える。
思えば遠くに来たものだ、と。
最初にそう感じたのは、おそらく初めて甲子園に出場した時だ。
関東大会に出たときはまだ、それほどとは感じていなかった。
大学野球に戦場を移しても、なんだか不思議な感覚はした。
おそらく神宮球場で、ほとんどの公式戦を行ったからだろう。
それよりは高校時代の、ワールドカップの試合が思い出深い。
わざわざ野球をするために、海外にまで行くということ。
直史の価値観的には、よく分からないものだったのだ。
そして野球で金を稼ぐというのも、直史にはよく分からないものだった。
スポーツも芸能も虚業だ。
無意味だとか無価値だとかは言わないが、そこに自分が参加することには違和感がある。
それでもこれがあったからこそ、直史の人生は、正直に言って面白いものになったのだ。
アメリカ。
様々な問題を抱え込みながらも、その問題さえもパワーに変えて進んでいく国。
三年間という短い期間であるが、直史はそこで戦う覚悟を決めていた。
×××
※ ポスティングに関しては現在とは違うシステムとなっております。
なお現在のシステムだとMLBのほぼ最低年俸で働くことになります。
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