喫茶店の物語 〜夢葵と観察〜



侑希「ぐえー、食った食った」



ゆき「ぐえー、食いました食いました」



夢葵「あはは、侑希ごちそうさま」



侑希「はいはい。何か飲み物頼もうか」



ゆき「私はいちごみるくにしようと思います」



夢葵「いいね! あたしもそれにしよ」



侑希「食後に? 変わってるね」



夢葵「侑希は普通にコーヒー?」



侑希「うん、そうするよ」





ゆき「っぷはーっ! おいしいですね」



侑希「どんな飲み方してんの? ビールじゃないんだから。いちごみるくでしょ……」



夢葵「っぷはーっ! おいしい!」



侑希「お前も……。っていうか、ほんとに夢葵喫茶店好きだよね」



夢葵「好きだね」



侑希「一人でもよく行くの?」



夢葵「行くよー。むしろ、一人の方が多いかなぁ」



ゆき「意外ですね」



侑希「一人で何してるの? 姉さんみたいに外でできる仕事じゃないでしょ。読書とか?」



夢葵「うーん。喫茶店ってものが好きなのかな。色々な人がいるでしょ」



ゆき「人の観察が好きってことですか?」



夢葵「なんていうんだろう……。バーとか居酒屋とかにいる人たちの関係性ってなんとなくわかるでしょ。会社の集まりだったり、同じサークルの大学生だったり、カップルだったり」



ゆき「そうですね」



夢葵「だけど、喫茶店にいっしょに来てる人たちって関係性がわからないことない? ほら、……あんまり指差すのはよくないけど、あの人たちみたいな」



侑希「あー、確かに……」



夢葵「そういうの見ながら聞き耳立てて、勝手に想像するのが好きなんだよね」



ゆき「作家さんみたいですね……」


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