見つからない 〜ゆきちゃんと昔のやつ〜



侑希「ん? ゆきちゃん、そんなに動画サイトの動画しらみつぶしに観て何してるの?」



ゆき「あ、その、昔に観た動画を探してるんです」



侑希「昔?」



ゆき「たぶん、まだ学生くらいだったと思うんですけど、急に思い出して観たくなったんです」



侑希「ああ、なんとなくわかるかも。見つからないの?」



ゆき「はい。内容をぼーっと覚えてるくらいで、サムネイルやタイトルとかは全く覚えてないんです」



侑希「そっかー。それだと難しいね。あと、削除されてる可能性もあるか……。あ」



ゆき「どうしたんですか?」



侑希「僕も昔同じようなのがあったの思い出した」



ゆき「侑希さんもいっしょに探しますか?」



侑希「うん。急に観たくなった」



ゆき「どんな動画なんですか?」



侑希「動画じゃなくて画像なんだけど。中学生の頃の好きだったキャラクターのちょっとえっちな画像で……」



ゆき「それは大変です! 絶対に見つけましょう!」





侑希「うーん。見つからない……」



ゆき「これとかですか?」



侑希「違うね……。ゆきちゃんごめんね。僕の手伝ってもらって」



ゆき「いえいえ、純情な少年の夢は何よりも守らなければいけませんから」



侑希「ありがとう。……ないなー」



夢葵ゆめき「やっほー。二人ともスマホスクロールしまくって、何してるの?」



ゆき「探し物をしてるんです」



夢葵「何を探してるの?」



ゆき「少年の夢です」



夢葵「?」



侑希「あ、ああーっ」



ゆき「侑希さん? もしかして……」



侑希「あった! やったー! 見つけたあああああ!」



ゆき「すごいです!」



侑希「間違いない! あの時に舐めるように観まくった、ちょっとえっちな画像だ! この微妙に見えなくてもどかしい感じが最高すぎる! 想像が止まらねぇ!」



夢葵「は?」


  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る