携帯 〜ゆきちゃんとゲーム〜



「ん? 侑希さん? 何してるんですか?」



「携帯ゲーム。これ知らない?」



「うーん。わかりませんね。どうやって遊ぶんですか?」



「割と有名なゲームなんだけど、こうやって、画面を操作して敵を倒していく感じかな。自分のモンスターを育てることが面白いんだよね」



「面白そうですね。でも、私はやめておこうかと思います」



「そうなの? なんで?」



「始めるとハマっちゃいそうなので……」



「あー、携帯ゲームってやってると、気づいたらすごい時間になってることあるんだよね。家庭用のゲームと違って、スタートがスムーズだから腰も上がりやすいし」



「昔ちょっとだけやってたんですけど、睡眠時間も削れていたのでさすがにやめました」



「へー。どんなゲームやってたの?」



「棚の中からぼた餅を見つけるゲームです」



「制作にお金かかってなさそう」



「馬が理解するまで念仏を聞かせるゲームもやりました」



「理解できないから、クリアできないでしょ」



「他にも、豚にその価値がわかるまで、真珠を与え続けるゲームもやってましたよ」



「どのゲームで眠れなくなったの……?」



「あとは、赤い靴を履いて踊り続ける敵の足を次々と——」



「ストップ! それはグロい! 急に残酷すぎでしょ! レーティングが必要になっちゃう!」


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