四月二日



「ゆきちゃん、こっち」



「こっちってどこまで行くんですか? こんな図書館まで……」



「もうちょっと」



「……?」



「この辺かな」



「ここって……?」



「僕と君が初めて会った場所だよ」



「……」



「図書館で僕が君を司書さんと間違えて声かけたんだよね。それが最初」



「……」



「僕、今でもあのとき声をかけてよかったって思うんだよね。今の僕にゆきちゃんのいない生活は考えられないから」



「……」



「ゆきちゃん、お誕生日おめでとう」



「……」



「それとずっと待ってくれてることがあると思うけど、それはもうちょっとだけ待ってて」



「……」



「これからもよろしくね、ゆきちゃん」



「……こちらこそ。ねぇ、侑希さん」



「?」



「……ありがとうございます」


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