侑希さんと帰省編 その五
ゆき「はぁ〜。お風呂気持ちいい……」
〈ガラガラガラ〉
ゆき「あ」
弓槻「入ってたのか」
ゆき「先におじゃましてます……」
弓槻「あたしも入っていいか?」
ゆき「へ? 全然大丈夫です! どうぞ入ってください」
弓槻「ありがとう」
〈かぽ〜ん〉
弓槻「ぬゔああああ〜」
ゆき「すごい声ですよ。弓槻さん」
弓槻「ああ〜。気持ちい〜」
ゆき「えへへ。やっぱり似てますね。侑希さんと」
弓槻「あたしが? 侑希と?」
ゆき「はい。そっくりです」
弓槻「へー。はじめて言われたな」
ゆき「第一印象は違いましたけど……」
弓槻「それはよく言われるよ。って、あたしの話は今はいいんだ。彼祭さんはどこ出身?」
ゆき「出身ですか。えっと、北の方の雪が多いところです」
弓槻「なんかざっくりしてんな」
ゆき「こっちの事情で……」
弓槻「ふーん。仕事は?」
ゆき「小学校の教員やってます」
弓槻「へー。すげぇな。先生か。担当教科は?」
ゆき「小学校なので全教科教えるんですけど、担当教科はまだ決まってません……」
弓槻「決まってない?」
ゆき「これもこっちの事情です……」
弓槻「大変なんだな」
ゆき「いえいえ。その、弓槻さんは何をされているんですか?」
弓槻「あたしは居間のパソコンでカタカタやってるよ。大した金にはならないけどな」
ゆき「パソコンを使って何をしてるんですか?」
弓槻「内緒」
ゆき「へ?」
弓槻「内緒」
ゆき「えー。教えてくれてもいいじゃないですか」
弓槻「べー。やだね」
〈ガラガラガラ〉
侑希「ゆきちゃん、入るよ。って、え?」
弓槻「今彼祭さんと楽しく話してるんだよ。あっち行け」
侑希「えぇ……」
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