侑希さんと帰省編 その三



侑希「ゆきちゃん。夕飯だって。一緒に食べよ」



ゆき「はーい。わかりました」



侑希「姉さん。ゆきちゃん連れてきたよ、って、なんでタンクトップなんだよ。真冬だよ」



弓槻ゆづき「この部屋が暑いから」



侑希「暑いなら、ヒーター切ればいいじゃんか。灯油もったいないよ」



弓槻「ヒーター切ったら寒いだろ」



侑希「はぁ、はいはい。ゆきちゃん、こっち座って。ごめんねこたつなんかで。ダイニングテーブルなくて」



ゆき「いえいえ。暖かくて気持ちいいです」



弓槻「ふーん。彼祭さんはいい子だな」



ゆき「え? その、え、えへへ」



侑希「あ。姉さん、そういえば、夢葵ゆめきは?」



弓槻「彼氏ん家」



侑希「あー……」



ゆき「ゆめき?」



侑希「うん。妹」



ゆき「妹さん!? 妹さんいたんですか?」



侑希「あれ? 言ってなかったけ?」



ゆき「お姉さんしかいないって前言ってたような……」



侑希「あー、それは家には姉がいるって言ったんじゃなかったけ。まぁ、いいか。あれ? 姉さん。夢葵って今いくつだっけ?」



弓槻「二十三」



ゆき「じゃあ、私たちの一つ下ですね。妹さんにもご挨拶したいです」



侑希「あー。あの子はちょっとクセがあるからな……」



ゆき「クセ……?」



侑希「まぁ、そのうち登場すると思うよ」



弓槻「おい。何食べたい? いろいろあるけど」



侑希「そんなに食べる物なんてあったっけ。何があるの?」



弓槻「スタンダードな醤油に、カレー、塩……、お、ソース焼きそばもあるぞ。あとは、うどんか」



侑希「え? 何? カップ麺?」



弓槻「悪いか?」



侑希「悪いよ。僕と姉さんはいいかもしれないけど、ゆきちゃんいるんだよ」



弓槻「彼祭さん、どう?」



ゆき「あ、私うどんがいいです。油揚げがついてるやつありますか?」



弓槻「おう、あるぞ。侑希は?」



侑希「えぇ……。僕なんでもいいよ」



弓槻「じゃあ、期間限定のはあたしが食うぞ」



侑希「なんでもいいって……」


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