いい? 〜ゆきちゃんと悪い〜



「うわ、このタイプのタイトル久しぶりだね」



「ほんとですね」



「何この意味わかんないタイトル?」



「侑希さんが何かを訊いて、私が断るんでしょうか?」



「嫌だよ。そんなことしたくないよ」



「あ、思い出しました」



「何を?」



「私ずっと気になってることがあったんでした」



「気になってること?」



「はい。侑希さん、『気持ち悪い』の反対ってなんですか?」



「え? 『気持ちいい』じゃないの?」



「……ほんとにそうですか?」



「そうでしょ。悪いの反対は良いだよね」



「じゃあ、この動画を見てください」



「どれどれ……。うわ、気持ち悪。何この生き物……」



「私はかわいいと思いますけど、やっぱり、気持ち悪いって思う人が多いんですね。友だちに見せても気持ち悪いって言われました」



「これがかわいいは意味わかんないよ。どう見ても気持ち悪いでしょ」



「さて、本題です。もう一回さっきの質問をしますね。侑希さん、『気持ち悪い』の反対はなんですか?」



「だから、『気持ちいい』じゃ……あ!」



「私が言ってること、わかりましたか?」



「ほんとだ。『気持ち悪い生き物』の反対って『気持ちいい生き物』じゃないね」



「っていうのを児童に質問されて答えられませんでした……」



「確かに、これはわからないな。かわいいじゃないもんね。なんだろう……?」


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