痛すぎ 〜ゆきちゃんと小指〜



「ぎょえーっ!」



「どうしたんですか、侑希ゆうきさん。そんな魔法を喰らった人の断末魔みたいな声出して」



「小指、小指をぶつけちゃって……。痛てて」



「それって痛いんですか?」



「え? 痛いよ」



「そうなんですね」



「え? もしかしてゆきちゃん、足の小指をぶつけた痛み知らない?」



「私そんな間の抜けたことしないです」



「間抜けとか君にだけは言われたくないんだけど……」



「もう侑希さんってば、普段から周りに気を配ってないからそうなるんですよ。今から救急箱持ってき——いっっ!!」



「ど、どうしたの、ゆきちゃん?」



「痛てて……。肘をぶつけちゃいました。えへへ」


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