あなた 〜ゆきちゃんの敬語〜



「ねぇ、あなた」



「その呼び方おかしくない? 若いカップルの呼び方じゃないよ」



「そうですか? 一般的な二人称だと思いますけど」



「そうなんだけど……」



「じゃあ、お前、とかですか?」



「それは上級カップルすぎるよ。長く続きそうだけど。って、そういえば、僕ずっと思ってることがあるんだけど」



「なんですか?」



「なんでゆきちゃんってずっと敬語なの? 僕ら同い年だよね」



「変え時って難しいじゃないですか。ほら、初対面を敬語で入っちゃうとなかなかタメ語にできないんですよ」



「あー。女子によくある同じ中学だった子は高校でも呼び捨てにできないみたいな感じかな」



「それと作者が、敬語とタメ語なら書き分けが楽だし、読者さんもわかりやすいしって」



「いきなりメタ的な話するのやめて」



「あ、私が敬語なのは、決して侑希ゆうきさんのことを敬ってるわけじゃないですよ」



「それ言う必要あった?」


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る