第八百二十五話 5月29日/高橋悠里は要にメッセージを送った後にログインして29日分の換金と3GPを取得して、ゲームを始める
キッチンで自分と祖母の湯飲みを洗い終えた悠里は、トイレを済ませて、ファンタジーVRMMO『アルカディアオンライン』をプレイするために二階の自室に向かう。
今日は土曜日。明日は日曜日でお休みだから、朝、寝坊しても大丈夫。
とりあえず、晩ご飯前に一度ログアウトするだろうけど、晩ご飯を食べてお風呂に入り、髪を乾かした後は、時間を気にせずにゲームで遊びまくることができる。
二階の自室に戻った悠里は『アルカディアオンライン』をプレイする前に、要にメッセージを送ることにした。
悠里は通学鞄に入れていたスマホを取り出して、要へのメッセージをタップする。
♦
要先輩。家まで送ってくれてありがとうございました。
要先輩のおかげで貰えた駄菓子セット、お母さんやお祖母ちゃんと一緒に食べました。
おいしかったです。ありがとうございます……!!
明日、お祖母ちゃんと一緒にマフィンを作る約束をしたので、上手にできたら月曜日にプレゼントしますね。
これから『アルカディアオンライン』をプレイしようと思ってます。
王都で何か楽しいことがあったら、私にも教えてください。
♦
悠里は要へのメッセージを読み返して確認し、送信した。
そしてスマホを充電する。
「よしっ。ゲームしようっ」
悠里は気合を入れて『アルカディアオンライン』をプレイする準備を始める。
ゲーム機とヘッドギアの電源を入れてヘッドギアをつけ、ベッドに横になり、目を閉じた。
「『アルカディアオンライン』を開始します」
サポートAIの声がした直後、悠里の意識は暗転した。
気がつくと、悠里は転送の間にいた。
今日は学校指定のジャージを着ている。
球技大会が楽しかったから、ジャージ姿なのだろうか。謎だ。
「プレイヤーの意識の定着を確認しました。『アルカディアオンライン』転送の間へようこそ。プレイヤーNO178549。高橋悠里様」
「こんにちは。サポートAIさん」
「こんにちは。高橋悠里様」
さあ、まずは今日の分の換金をしよう。
悠里はそう思いながら口を開いた。
「私、今日の分の換金をしますっ。1100リズを1100円に変換します」
「承知しました。作業中……。作業終了。高橋悠里様の登録口座に1100円を入金しました。後程、お確かめください。高橋悠里様の現在の所持金は3687901リズです」
「ありがとうございますっ。次はGPを貰いたいです。私、朝ご飯とお昼にお弁当を食べましたっ。あと、球技大会で学校にも行ったので3GPくださいっ」
「確認します。プレイヤーNO178549。高橋悠里様の脳波確認。確認中……。トゥルース。高橋悠里様に3GPが付与されます。高橋悠里様の現在の取得GPは48GPです」
「ありがとうございますっ。じゃあ、私、ゲームをプレイしますね」
「それでは、素敵なゲームライフをお送りください」
サポートAIの声に送られ、悠里は鏡の中に入っていった。
***
高橋悠里の5月29日の換金額 1100円
高橋悠里の貯金額 14200円 → 15300円
マリー・エドワーズの現在の所持金 3689001リズ → 3687901リズ
高橋悠里の取得GP 45GP → 48GP
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます