割り込み

「それじゃあ、二人を止めますか」

「うん、私はセシアちゃんを止めるから、サウルはリラちゃんをお願い」

 

 そう言って僕らは二人の方へ向かって歩き出す。

 そして、互いのテンポでそれぞれの攻撃をやめさせる。

 

「ルラちゃん?」

「サウル!?」


 セシアはルラ、リラは僕を見て驚いている。 

 ルラに至っては、彼女の槍を素手で受け止めていた。

 全くといっていいほど、周りを見ていなかったのだろう。

 僕達が来ていることも気づいてなかったようだ。


「セシアちゃん、そこまでにして」

「リラも、そこまで」


 そう言うと、二人は互いに武器を収める。

 ルラはそのままセシア、リラの順番に回復する。


「私の勝ちね」

「違う、私の勝ち」


 そう言って再び負けず嫌いが発動し、再び一触即発の雰囲気だった。


「はいはい、次の試合に取っておきなさい」

 

 そう言って彼女はリラに冒険者カードの更新について話す。

 

「更新か、それしないといけないのね」

「あ、それなら私も今週中に行こうと思ってたのよ」


 セシアはそう言って懐から冒険者カードを取り出し、見せてくる。

 そういえば、冒険者カードを見せた時酷く怒られた記憶がある。

 簡単に人に手の内を見せるべきじゃないと。


「……見る?」

「いいの?」

「サウルだけ、特別……二人は駄目」


 きっとこの前に見せてしまったから、自分の手の内を見せないとフェアじゃないと考えたのだろう。


 

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