2人の負けず嫌い

 リラたちのいる場へ向かうと、二人は息を切らしながら戦っている。

 お互いに満身創痍な感じだった。

 だけど、二人とも互いを見ると笑っていた。

 怖えよ。

 だってそうだろう?

 女の子二人が互いに傷つけあっているのを見て狂気以外のなんと捉えられようか。


「おらあぁぁぁぁ!!」

「うらあぁぁぁ!!」


 およそ女子が出すとは思えないどすのきいた低い声で互いに攻撃を繰り出す。

 魔法の槍の突きと剣の攻撃で互いに互いの間合いに入ろうとしている。


 あの剣……村長の家で見た剣だ。

 何でも有名な刀鍛冶が作った名剣らしい。

 見た目は普通の剣で刃の方に文様が浮かんでいるからわからなかった。


 その剣は一度触らせてもらったが、魔力を込める事が出来る特殊な剣だった。

 しかし、彼女の持っている剣は二本あるはずだった。

 もう一本はルラの帯剣している剣だろう。


「村長から受け取ったんだ」

「うん、学院に行くなら持っていきなさいって……あ、そうだ」


 そう言って彼女は鞄から何かを取り出した。

 それは剣と同じく飾られている至高の品の手甲だった。


「これ、村の村長たちから……急だったから、渡してくれって」


 この手甲を装備すると少ない魔力を増幅してくれる。

 剣と共に装備すれば、その魔力できれないものなどないと言われている。



 

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