本好きの少女
一般の方へ向かい、ルラを探す。
どうせルラの事だからきっともう複数の本を抱えて、この辺で読んで……。
そう思い、テーブルの方へ向かうと複数の本が積み上げられた異様な空間があった。
あそこか……。
案の定というべきか、本を積み上げている場所へ向かうとルラが楽しそうに本を読んでいた。
こんなに要らんだろうに。
彼女に近づいても、相変わらずの集中力……全く僕が後ろにいるのに気が付いていない。
「ルラ」
声を掛けるが、反応しない。
これ以上大声を出すと、静かに読んでいる皆に迷惑なので例の行動に移す。
彼女の本を持ち上げると、ようやく僕の方を向いた。
「あ、サウル」
「集中するのはいいけど、女の子なんだから周りを見ないとどんな変態がいるか」
僕がそう言うと、ルラは僕の方を指差す。
それはまるで変態がここにいるかのような発言だった。
待て待て、僕は紳士だ……決して変態ではない。
「誰が変態か」
「覗き、押し倒し、胸を触る……他にも色々あるけど?」
全部村であった若気の至りで事実だったので、言い返しようがなかった。
「それで用事は終わったの?」
「うん、ある程度は」
「まだここにいるの?」
彼女は上目遣いでそう聞いてくる。
まだここに居たいと、あざとく視線で送ってくる。
僕が出るとなれば、彼女も出なければならないのだ。
「何かいい本あった?」
そう言うと、ルラは二つの本を見せてきた。
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