商店街巡り

 どことなく行く所もないので、無難に食べ物巡りにすることにした。

 近くの商店街、いつもミリスが買い物で行っているであろう場所をあえてしたのはそこの方が慣れているのもある。

 

「ここに来るのはお使いだけだから、なんか新鮮だよ」

「どこか行きたいところあったりする?」

「う~ん……あ、そう言えば……」

 

 そう言って商店街の近くにある噴水上の前の出店に向かう。


「ここ、行ってみたかったんだ~」


 店はこの辺では見たことのないハンバーグだった。

 ハンバーグの中に餅……中々斬新だった。 


「2つ、いただけますか?」

「はいよ」

 

 そう言って彼女は二つの餅ハンバーグを受け取る。


「はい、どうぞ」


 それ、僕がやるべきことな気がする。


「ありがとうございます……これ、お代です」

「いいよ、奢ったげる」


 彼女が支払った分を支払おうとすると、そう言って受け取らずに餅ハンバーグに齧りつく。

 

「う~ん、おいしい~」


 笑顔で美味しそうに食べる彼女に次いで食すと、確かに美味しかった。

 ハンバーグの味を濃くして、餅にとても合うように仕上げていた。

 

「サウルはさ、強くなって故郷に帰っちゃうんだよね?」

「あ~、それなんですが……」


 正直な所、それは建前だ。

 本命は蒼だが、それは言えないが……。


「本当は色んな所を旅してみたいんです」


 僕の正直にやりたいことをミリスに話すのだった。

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