解読不能な本

 それぞれが学びたい本を取り、読み始める。

 リラは剣技の本、特に火流の流派の剣技だ。

 力技、何ともまぁリラ向きではある。

 ルラは魔法の本、聖魔法の本を取っている。


 僕は何にしようかな~。

 錬成魔法の魔術もいいし、錬成についてもいいな。

 そう思っていると、ある本が目に入る。

 その本はこの国で使われている言語ではない。

 日本語だ。

 この世界ではないであろう文明の言葉で真実の本と書かれていた。


「その本、解読不能の本だからやめておいた方が良いよ」


 それはそうだろう、この世界の全国民が挑戦した所でこの言語は理解できないはずだ。

 

「少し、読んでみてもいいですか?」

「読めるか?」

「いいえ、どんな本か読んでみたいんです」


 そう言って僕は本を読み始めると、驚くべきことが書かれていた。

 勇者システム?

 この世界の勇者は魔王と対を成す存在だ。

 魔王がこの世界を滅ぼそうとするとそれを守る勇者が召喚される。

 勇者は魔王と戦い、そして魔王は退けることが役目である。

 しかし、魔王はこの世界のバグで何度も蘇る設定の様だった。

 勇者もそれに答えるかのように何度も戦ってきたそうだ。

 何度も勇者が戦い、殺し合いが続いてきたとされている。

 

 この章はそれを勇者システムとして取り上げたもののようだった。

 







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