復讐の鬼
「本当にくだらない……只の逆恨みじゃないか」
カウンの攻撃をナッドで受け流しながら彼に言い放つ。
只の逆恨み……真相を知っているからこそ、哀れ極まりない。
「うるさい!! お前に何がわかる!!」
わかるわけないだろう。
劣等感は誰しもが持つ。
あいつの方が優れてるなんてことは生きていればいくらでもあるのだから。
「何の苦労もなく、強い力を手に入れたお前たちに俺の何がわかるってんんだ!!」
「わかるわけないだろ、そんなこと」
わかりたくもない、力は確かに必要だ。
だが、力だけでは誰もついてこない。
時に誰かに寄り添い、思いやる。
それがリーダーに必要なものだ。
「お前は只身勝手に従わせ、そいつの気持ちも考えない只の自己中だ……そんな奴には誰もついてこないよ」
「うるさい!!」
カウンは影槍を錬成して放つ。
それを僕は盾であっさりと防ぐ。
「クソ!!」
カウンの周りから黒い煙が現れる。
逃がすか。
彼が見えなくなる前に一瞬で間合いを詰める。
「何逃げようとしてんだ」
僕は彼の顔面に拳を叩きこむ。
奴はそのまま喰らい、煙の向こうへ吹き飛ぶ。
そのまま追撃しようとすると、魔法が襲う。
凝縮されたこの魔力は……。
そして現状、最悪の人物が目の前に現れた。
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