決断

 セシアは納得のいかない感じで僕を睨みつけてくる。


「なんで……なんでなのよ!!」


 セシアは僕に掴みかかる。


「セシアは、本当に後悔しない?」

「後悔なんてするわけないでしょ!! 私は……!!」


 そんな顔でしないって言ったって説得力がないじゃないか……。

 彼女の顔は苦痛な表情を浮かべていた。


「いいじゃないか、助けたって……助けたいなら助ければいい」


 やりたいことをやったっていい……後悔するくらいなら精一杯やり切ってからの方がいいに決まってる。

 

「私は……どうしたらいい?」


 いつも自分の意見をしっかりと持っている彼女らしからぬ発言だった。


「それは君が決める事……って言いたいけど、別に判らなければ皆に従うのもありじゃないかな?」


 自分で決めることは確かに大切だ、だけど人間必ずしも迷うときがくる。

 僕なんか、前世で幾度と迷うことがあった。

 特に進路についての時なんか、めちゃくちゃ迷った。

 まぁ、結局何が言いたいかというと。


「やりたいようにやればいいし、信じたいものを信じればいいさ」


 結局は自分の気持ちのいいように決めれば、後腐れはない。

 自己満足……やりたいことをやって失敗するなら心残りはないのだ。


「僕は彼を救いたい……手伝ってもらえますか?」


 僕はそう言って彼女の前に手を差し出した。 

 

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