そして物語は動き出す
身体が熱い。
のどの渇きと吐き気が特に酷い。
水を飲もうとも、身体は渇きが収まることはない。
苦しい。
僕は奴から受け取った薬を飲む。
吐き気と喉の渇きが少し収まる。
もう一つ飲む。
そうして完全に体調が元に戻る。
もう少しで僕の目的は達成される。
ここで優勝し、僕は誰よりも力があることを認めさせる。
そして魔法大会に出場する。
「始まりますねぇ~」
言葉に振り返ると、僕にあの薬を渡してきた男が椅子に座っていた。
「結構きつそうですねぇ~」
人の顔色を見て楽しそうに見ている。
ウェルサは少し眉を寄せる。
「この症状はどうにかならないのか?」
「それは無理ですね~、これは力を与える代償なんですから」
そう言って持っている瓶を振る。
ウェルサの使っている薬だった。
「無理やり魔力を増幅するんですよ? そりゃ、身体の回路は痛み増しますよ」
「本当に酷使しても問題ないんだろうな?」
「そのために この
カプセルを要れた箱を見せてくる。
「最終戦は使いはるんですか?」
使わなければ勝てるわけがない。
今やってる試合だって我が愚妹が戦っているが、ボコられているだろう。
試合は見たが、あの
「旦那~」
「なんだ?」
「今の
「本当か?」
「えぇ、この薬です」
そう言って男はウェルサに薬を見せた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます