次の戦い
「いたぶるのは好きじゃない」
「まだ、戦えるわ!」
アリエがそう言うと、ゼノンは一瞬で間を詰める。
「いや、もう終わりだ」
反応しようにも、身体が重くて動けない。
蹴りをそのまま喰らい、彼女の意識は途絶える。
アリエは彼に完全敗北した。
「見ててよかったのか?」
アリエを気絶させると、ゼノンはカナリアの方を見る。
彼女はゼノンがアリエを倒すより先にあっさり倒していた。
「何が?」
「友達なんだろ?」
ゼノンの言葉に首をかしげて不思議そうな顔をする。
「意味が解らないのです……だって殺し合いじゃあるまいし、手助けするのは無粋なのです」
「ならいいが、やるか?」
ゼノンの言葉にカナリアは頷くと、互いに構える。
これ以上言葉はいらないといった感じで互いの間合いに駆け寄ると、攻防が始まった。
互いの動きに一切の無駄がなく、攻撃と防御の両方が行われる。
音も立てないまま、互いの剣を交えている。
普通に戦っているはずなのに、周りからは違和感しかなかった。
音がしないのだ。
金属がこすれる甲高い音、互いに剣を攻撃して受けあっているのにその音が全く響かないのだ。
他の所の魔法で聞こえないだけかもしれないが、残っているのは ゼノンとカナリア《彼ら》と ミナとサウル《あの魔導士達》だけだ。
そして、サウル《彼》もしばらくして倒れる。
残るは ゼノンとカナリア《二人》だけになった。
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