提案
試合が終わり、少しの時間選手休息となった。
ミナ達がレイスさん達の元へやってきた。
「賢王級魔法使えるようになったのね」
「えぇ、とはいっても師匠の波球を改良しただけの粗悪品ですが……」
「私の魔法を改良して作り出したものでも、それは貴方の努力の証……粗悪品だなんていうものじゃありません」
ミリーはミナの頭をこつんと叩く。
いい意味での師匠と弟子っていう感じがして微笑ましかった。
「さ、ある程度揃ったところで皆にお話があります」
「お話ですか?」
ウオラとレイスが何かを察したのか、ミリーに目を向ける。
「いいのかい? また サリス《あの子》が怒るよ?」
「いいのよ、それに彼女にとっては利益があるもの」
恐らく利益というのは学院の事……つまり、レイスさんが国王になるために必要なことだろう。
「警護、ですか?」
「察しがいいわねミナ、流石私の弟子~! 実力を見る限り、さっきの準決勝の四組なんていいと思うのだけど……」
「私達は構いませんが、一刀法生には厳しいかと思います」
「そこは、経験を積むという意味で貴方たちが先輩として援護してあげなさい……私だって散々世話してあげたでしょ」
ミリーの言葉に何も言えなくなるミナ。
師匠が一法生の頃は今の僕らのような思いを母に抱いていたのだろうか?
「なら、条件があります」
「条件?」
「もし、この子たちを連れていく場合、私達の誰かと必ず同行させる事……これだけは約束してください」
「いいわ、それで……他の皆はどうする? これは強制ではないわ、参加するかは自分で決めなさい」
「期限は明日、閉会式が終わった後に返事を下さい」
レイスがそう言うと、選手休息が終わって第三試合と第四試合が始まった。
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