混合戦開始

 しばらくして再び会場へ向かうと、混合戦が始まる。

 出場選手は知り合いで以下の通り。

 ミナ・エレナ・ゼノン・セナ

 ルミリナ・ファリオス・リック・カウルス

 オットー・コロナ・テイル・セイラ

 そして僕達だ。

 セイラは元々出場予定ではなかったが、リックの後押しとアリエの煽りで出場となった。


「頑張って、皆!」

「うん、勝ってくるよ」


 正直、問題はこの三組だ。

 どちらも自身の学院最強格だ。

 試合表を見る。

 僕達は偏っていた。

 明らかに僕達の方には練習試合で上位の人たちが揃い、反対側に試合で予選落ちしたりした面子の名前が並んでいた。


「ふん、どうせの仕業よ」


 セシアがそう言うと、反対側の方にウェルサ名前があった。

 混合戦においては代表者の名前が表示される。

 

「本当に、貴族っていうのは……」


 セシアが言うからには皆、反対側にいるのが貴族なのだろう。


「あからさまだね~」

「まぁ、どうせこの四組の誰かが優勝でしょうし……」

「なんでこんなしょうもないことするかね~」

「エレナも貴族ならわかるんじゃない?」

「わかりたくもないわ!」


 ミナの言葉に心底嫌そうな顔をするエレナ。


「大方、実力の低い貴族救済処置でしょ?」


 何か拍を付けたいといった感じだろうか……。


「それにこんなのはよくあることじゃない、放っておきましょ」


 僕達は準々決勝でオットー達、準決勝で師匠、もしくはリックと戦うことになった。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る