アリエの提案
「ねぇ、明日の混合戦なんだけど……セシアとサウル、よかったら私と組まない?」
明日は最終日、剣技科と魔法科の各二名で組み勝ち上がるトーナメントだ。
「僕は別に構わないよ」
「私も、出れるのならなんだって出てみたいもの」
「よかった~、カナリアもいいよね?」
「私でいいの?」
彼女は病気がちなので、遠慮していたのかその誘いに嬉しそうに応える。
「体調が悪ければ休んでていいし、体調が戻るまで私たちは待ってるから」
「アリエ……」
混合戦は必ずしも全員揃わなくても事情によって途中まで三人でも構わないのだ。
「まぁ、六法生・六刀生≪あの人たち≫に当たったらどうなるかわかんないけど……」
法刀生に当たれば、今の僕達では歯が立たない。
僕らがそう言うと、カナリアは頭を下げる。
「ありがとう皆……」
「そしたら、明日早くに出ないとね」
エントリーは試験開始の2時間前に締め切られるため、いつもより早めに起きなければいけない。
「サウルは私に任せておいて」
「もうちょっと穏便に起こしてよ」
彼女の目覚ましは僕を投げ飛ばすか、鳩尾にグーのどちらかだ。
「なら起きることね!」
「セシアもなのですね」
「ちょ、カナリア……」
「毎朝私が起こしてあげてるんだから、本当の事でしょ?」
「うぅ……」
「まぁ、毎回私はアリエの寝顔が見れるからいいんだけどね」
「やめてよ~」
アリエの顔が少しずつ紅く染まって手で顔を覆う。
そして互いに宿舎に着くと、お互い宿舎に入っていった。
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