153話 必殺の一撃

 レキは後ろに叩きつけられたルミリナを追撃せず、彼女を見る。

 

「どうする? 降参する?」


 圧倒的なまでの剣の実力差、それを言わしめる程、レキの力は圧倒的だった。


「冗談、まだまだこれから……」


 何とか立ち上がるルミリナだったが、ダメージが少し大きいようで少しふらつきながら立ち上がる。

 

「そう……」


 ルミリナの言葉にレキは、もう一度構える。

 ルミリナは両手の剣を上に向ける。 


「≪≪これは、我が魔法の全てを今、凝縮する≫≫」


 詠唱が始まる。

 レキは攻撃しようと思えばできたはずだが、その場にとどまった。

 詠唱が終わると、両手の剣が一つの大きな両手剣に変わった。

 剣先は白色の光を放ち、まるでおとぎ話に出てくる聖剣でも放つが如く眩い光だった。

 

「ほう、ならば……」


 対抗するようにレキも空に雷の剣を掲げる。

 瞬間、鎧の形ではなく人型の形になる。

 それと同時に剣の魔力が上がっていく。 

 ミナは巻き込まれるのを恐れてか、その場を離れる。

 ルミリナは全魔力を投じているのか、少し苦しそうだった。

 詠唱を終え、互いに必殺の一撃の準備が整う。


「勝負だ、光の裁き≪ルミナスフォース≫」


 ルミリナがそういうと、両手剣を振り下ろす。

 剣からレキに向かって斬撃が飛んでくる。

 レキもそれに対して剣を振り下ろす。

 凝縮した雷の斬撃がぶつかり合う。

 斬撃を放つとその場にルミリナは膝をつくが、持っていた貯魔で回復すると何とか立ち上がる。

 斬撃が激しくぶつかり合う。  

 そして互いの攻撃が拮抗しているのか、爆発する。

 その爆発は今までにないほど大きな爆発で、会場の結界にヒビが入っている。

 煙が辺りを包む。

 煙が無くなると、ルミリナとレキは立っていた。


 

 

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