148話 格闘戦準決勝第二試合
アリエの戦闘が終わり、準決勝が開始された。
対戦の組み合わせは全身鎧を装着している第二席のゼノンと全身軽装に手に槍と腰に剣を帯刀した第三席のセイラの対決だ。
重装対軽装の対極的な戦いが行われた。
「それでは、はじめ!」
そうして戦いは始まった。
左腰に帯刀している刀を抜く。
右手に剣、左手に槍を持った戦い方だった。
セイラは左手の槍をゼノン投げる。
当然とゼノンは避けようとするが、避けた方向に軌道が修正される。
魔力が宿っていた。
先程のように魔法戦とは違い、格闘戦は魔法禁止となっていたが攻撃系と干渉系以外は大丈夫みたいだ。
「≪≪加速≫≫」
ゼノンの全身に魔力が覆われる。
普通、剣技科は魔法を使わない。
決して魔法が使えないというわけではないが、剣技についての授業が多いため、必然的に魔法を使うことがない。
しかし、魔法を使えばそれだけ戦う範囲も増えるが、試験などもあって大抵は魔法を覚える余裕がないというのが実情という話だ。
だから、実質覚えれる余裕がある実力か、並々ならぬ努力を重ねないと格闘戦で勝ち上がるのは難しい。
そして、ゼノンはギリギリのところで避ける。
「≪≪加速≫≫」
セイラも魔法を発動して瞬時に差を縮め、剣を突き出す。
ゼノンは彼女との差をさらに詰め持っている手を掴み左手で掴み、横に投げると同時に後ろへと飛ぶ。
槍が後ろから飛んできたのを予知していたのか、そのまま槍は空を切る。
投げ飛ばされたセイラは宙で回転して着地する。
「その手は何度も見たぞ」
「うん、知ってる~」
ゼノンは違和感を感じた。
彼女の右手に剣がなかった。
しかし、違和感を感じた時には剣にゼノンは切られた。
不意打ちだったのだろう。
対応できないまま、ゼノンはその場に倒れ伏した。
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