146 格闘戦準決勝
アリエは開始の合図がなるがその場を動かない。
四席は剣を抜く。
「初めに言っとく、痛いけどごめんね」
気弱そうな言動と違い、物凄い圧力が辺りを包む。
四席の女性は抜刀の構えをとり目を閉じる。
二人はそのまま動かない。
「そういうタイプか~」
アリエは頭を掻きながらいうと、構えを変えた。
「それじゃあ、いっくよ~!」
そういってアリエは迅速と呼ぶにふさわしい速度同じ体勢で彼女に詰め寄る。
四席の女性は目を閉じたままでいる。
誰もがこれは取ったと思った。
しかし、そうはならなかった。
アリエは足を後ろにけって素早く下がる。
何が起こったのかわからなかった。
アリエは冷や汗をかきながら彼女を見る。
「こういう戦いの相手、苦手なんだよなぁ~」
アリエはそういうと、両手に魔力を込める。
「想像≪イメージ≫、完了……」
アリエの両手に二つの剣が現れる。
「これってありですか?」
アリエはカエラに問う。
「あ、はい投影で武器を作るのは大丈夫です!」
「ならよかった」
アリエはそういうと四席を見る。
「これで無理なら、もう勝てないなぁ~」
アリエは剣を投げる。
そのスピードは尋常じゃなく早い。
四席はそのまま弾いていく。
アリエは剣を投げ続ける。
その度に何度も弾く音が聞こえる。
「ふーん、範囲≪キリングレンジ≫はそこか……」
アリエは何かを感じたのか、歩き出していく。
彼女の二メートル程先で立ち止まる。
そこが彼女の攻撃範囲という事だ。
「錬成装」
アリエは身体に鉄鎧を纏う。
錬成装は投影魔法と錬成魔法の混成魔法だ。
そして鎧を纏うと、一歩前に足を出す。
瞬間、キィンっと甲高い音を立てている。
「なっ!」
驚いた表情になる四席。
よほど自信があるのだろう、剣で倒しきれなかった彼女は動揺し、目を開ける。
「隙あり!」
瞬間、アリエは魔法を解き、先程のように瞬時に距離を詰める。
そして、アリエはそのままと錬成した剣を振り下ろした。
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