94話 新人戦
「やぁやぁ皆さん、はじましての人もいるね! 私は大会の進行役、カエラです! 皆〜、よろしくね〜!!」
次の日の朝、司会進行役のカエラがそう言うと、皆の心が一気に引き締まるのを感じる。
カエラは各国の司会進行役の一人で、今回の対戦の監督者だ。
「僕は、レオ……よろしく……帰りたい……」
この人大丈夫か……。
レオと名乗った男はカエラとは対極的に気怠そうな感じだった。
「私たち二人で司会進行するから、よろしく!」
そうして魔法大会についての説明される。
魔法大会は主に自身の実力を示す場所である。
大会中の魔道具は自身や学院の生徒の作ったものなら使っても良い。
制作・調整には事前に申請すれば使うことが可能である。
己と仲間の力で優勝を目指す事。
「以上のことを踏まえ、頑張ってね〜. さて、まず最初は新人戦! 一法生の皆、開始は30分後! それまでに準備してね〜!」
そう言うと各一法生は準備を進めた。
案内され、男子更衣室で着替えていると、
「足引っ張るなよ」
ウェルサが僕に向かって言ってくる。
「個人戦なんですから、貴方には関係ない気がするのですが」
「ふん……」
面白くないのか、ウェルサは自分のロッカーに戻っていく。
……あれは……。
ウェルサが何かを飲み込んでいた。
薬か何かだろうか?
「くくくっ……」
気持ち悪い笑みを浮かべる。
何だこいつ……。
「準備できたら、集合お願いします」
ドアの向こうから騎士団の声が聞こえたので、僕らは外に出ると控え室に案内される。
目の前には映像が写っており、先程の訓練場が映し出されていた。
「それでは最初、ミリス・レインさんとシア・ロトルさん、準備お願いします」
「「はい」」
そうして新人戦が始まった。
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