85話 戦闘訓練

 集合時間となり、僕達はオリアナに連れられフィオレス学院に案内される。

 うちの魔法学院とは違い、大木をメインとした校舎だった。

 中に入り登っていくと、どんどん上へ登る。

 頂上に着くと空気が薄いせいか、息が荒れる。

 

「ここが訓練場です、使いたい時は私に言ってくださいね」


 観客席も完備されている闘技場の様な感じだった。


「もうすぐ他の方々が来ますのでここでお待ちください」


 オリアナは去っていく。


「なんか、元気のない人だったね〜」

「まぁ、色々あるんでしょう……それより訓練始めるわよ!」


 確か今日の訓練相手は……オットー君か。

 

 訓練する相手は毎回変わる。

 セシアが互いに闘う相手を決めている。


「宜しくな、サウル」

「こちらこそよろしくお願いします」


 両者構える。

 結界ここに来た時点で張られていたのでいきなりで問題ないだろう。

 

「では、始め!」


 セシアがそう言うとオットーが一瞬で詰めてくる。

 オットーが拳を突き出すが、最小限の動きでぎりぎり交わす。

 そして間合いを取ろうとするが動きが速すぎてすぐ詰められる。

 なんとかしないと……。

 攻撃を避け続けるが、防戦一方だ。

 


 その言葉と同時に複数の残像が見えたときには拳を二発喰らっていた。

 その場で吹き飛ぶ。

 痛みは顔と胸あたりだ。


「そこまで!」


 オットーが僕に駆け寄る。


「大丈夫か?」

「えぇ、前から思ってたけど強すぎません?」

「あぁ、僕の家系は騎士でな……体術を昔から仕込まれてるんだ」

「そうなんだ」

「それにしても、凄いな僕のスピードについてくるなんて……」


 互いに讃えあうと、次はコロナ対ミリスの戦いが始まる。










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