44話 一触即発
鉄のドアを元に錬成魔法で刀に変換する。
「ほう、手際がいいな……」
「趣味で色々作ってまして」
「そうかそうか、なら練度確認と行くか」
そう言って撃ち合いを始める二人。
しかし、体格差が違うため徐々にサウルは疲弊していく。
「はぁ…はぁ……」
「どうした? もう限界?」
「まだまだ」
そう言って叩き込もうとした瞬間、刀が二つに寸断される。
耐久の限界か!
男はため息をつく。
「この程度か、期待外れだ」
そう言って剣を振り下ろそうとする。
慣れてないが仕方がない。
しかし、ピンチの時にこそイメージというのは鮮明になる。
右手に剣が作り出され、サウルは彼の一振りを受け止める。
気絶させようとしたのか、彼の刀は峰の方だったので……このまま押し切れば折れるっとサウルは渾身の力を込める。
互いにメキメキっと砕ける音がして、互いの得物は砕け散る。
サウルのは魔力で編んだので、再びイメージで修復させる。
剣を向けると、男は手を上げ参ったといった感じで見てくる。
「敵は何人ですか?」
「しらん!」
堂々という彼にサウルは質問を続ける。
「貴方は仲間じゃないんですか?」
「あぁ、今はそういう状況か……」
男はボソリと呟く。
「なんです?」
「いや、まぁ仲間ではないな」
「それってどういう……」
サウルは何かを察したのか後ろへ下がる。
光が差し、視界が覆われる。
再び目を開けると、そこには何もなかった……逃げられたのだ。
サウルはその場を警戒するが、気配がないので警戒を解く。
先ほどの手練れがもし、複数教室にいるとなると厄介だ。
奇襲で一網打尽にしなければいけない。
サウル一人では厳しいかもしれない。
なのでイメージする。
自身ができる魔法、そして打開策……こういう時は考える時間をとる。
その場限りの考えは良くないと臨機応変は大事だが、無策は只の愚策だとウオラに散々叩き込まれてきた。
中の状況を思い出す。
敵は一人は離れた位置のトイレにいるので敵は見えてるだけなら9人。
中にいる使える面子はを含めると、あと3人いる。
3人程度なら勢いでなんとかなるかもしれないが無駄にいけば死ぬ。
制圧してしまう方が先決なのかもしれない。
とりあえず制圧するとサウルは決め、教室へ向かうのだった
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