238:コスプレサミットに向けた最終打ち合わせ!(前編)

 お父さんの予定を聞き出し、コラボの約束を取り付けた僕は、コラボで何をやろうかをひっそりと考えていた。


「どうせなら、バ美肉してるところを上手く活かした配信にしたいよね⋯⋯そうなると⋯⋯」


 やっぱり、お父さんが綺麗とか可愛いとかみたいな事を言いまくって困惑させていくなんてのが良いかも。


「ただ、お父さんにそれを言うのはなんか拒否感あるなぁ⋯⋯でも、盛り上がりそうな気もするからどうしようかな⋯⋯」


 そう考えていた瞬間僕の頭に妙案が浮かんだ。


「そうだ、どうせならあの人達を⋯⋯ふっふっふ、連絡してみよう! 何かあったら連絡してって言ってたし、良いよね?」


 そして僕は頭に浮かんだ人達に連絡してみることにした。


 半日経った頃、良い返事が返ってきたので、僕は計画を進める事にした。


「ふっふっふ⋯⋯お父さんの恥ずかしがる顔が目に浮かぶよ⋯⋯」


 声をかけた人達はGW後なら予定が空いているとの事だったから、コラボはGW明けに決定。

 お父さんにもメールを送っておいたからこれで安心だね!



 そして、もうすぐ五月に入るかどうかと言う時に、コスプレサミットの予選で着る衣装の最終調整の為に僕は再びGloryCuteへと向かう事に。


 朝に先輩から連絡が来ていて、僕をまた拾って行ってくれるとの事だったのでバイトが終わった僕はすぐに準備を始め、準備が終わると外で車が来るのを待っていた。


 少し待つと、いつもの車が迎えに来てくれたので、車に乗り込んだ。


「優希くん、お疲れ様」

「先輩こんにちは!」


 車に乗ると前回と同じように先輩も乗っていて、車はそのままGloryCuteに向けて走りだした。


「優希くん、今日は眠くないのかな?」

「むぅ、いつも僕がお昼寝するわけじゃ無いんですからね!」

 前回眠ってしまったのはバイトが忙しかったりしたのが理由でもあるから、割と落ち着いていた今日はそこまで疲労感が無かったり。


「そっかぁ⋯⋯残念」

「残念って何ですか!?」


 まるで僕が寝てた方が良いみたいに聞こえるよ!?


「寝てたらほっぺつんつんしても気付かなさそうだったから⋯⋯」

「そんな事してたんですか!?」

「前回はやってないよ?」

「前回“は”って何ですか!?

 前に何かしたんですか!?」

「何もしてないよ!?」

「ですよね⋯⋯?」

「と言うか運転手さんもいるのに変なことやる訳無いよね!?」

「確かに⋯⋯」


 そんな会話をしているとすぐにGloryCuteに到着し、まずは衣装を着る為に着替えに行くと、新しい衣装があった。


 その衣装はフリフリの黒のフリルドレスで、モコモコとした沢山のフリルが印象的。


 更に凄い所が、このスカートの部分内部にも大量のフリルが入っていた下から覗いても下着が見えない仕組みになっていた。


「これ、スカートっぽいもこもこのズボンみたい⋯⋯」

 着てみると結構重くて少し動き辛い。

 かと言って少し動き辛いだけで、そこまで大きな動作の妨げにはなっていない辺り流石GloryCuteさんだなと思わされる。



「んしょっと⋯⋯」

 用意された衣装を着てみると、少し悪役感のある僕が鏡に映った。


「⋯⋯でもこの衣装可愛いなぁ」

 鏡の前でくるっと一回転すると、ちょっと楽しくなってきた。


「これで杖とかあったら完璧だよね⋯⋯」

「あっ、でもそろそろメイクしてもらわないと!」


 あんまり遅くなると迷惑になるかもしれないから、早めにメイクをしてもらう為にメイクさんのいる部屋に移動した。



「あっ、優希くん久しぶりだね」

「伊藤さんお久しぶりです!」


 メイクの伊藤さんが待機していたみたいで、僕はメイクをしてもらう為に椅子に座った。


「さーて久しぶりに優希くんのメイクやらせてもらうからねー」

「はい! お願いします!」


 そして伊藤さんに身を任せると、あれよあれよと言う間にメイクは終了した。


「⋯⋯やっぱり凄いですね」

「むふぅー、やっぱり優希くんのメイクは腕が鳴るわね!」

「本当手際が良くて凄いです!

 僕、まだまだ自分でメイクするのは苦手で⋯⋯」

「ま、まぁ男の子だしね⋯⋯」

「でもこれでとりあえず準備はOKですよね!

 そろそろ先輩と合流しようと思います!」

「うんうん、それじゃ会議室に案内するからその部屋で待ってあげてね!」

「分かりました!」


 そして伊藤さんのいた部屋を出ると、伊藤さんの案内で先輩を待つ為に会議室に入った。


 それから10分ほど待っていると唐突にドアが開いた。


「あっ、先輩!」

「うぅ⋯⋯恥ずかしい⋯⋯」


 そこにいたのは先輩で、可愛い格好に慣れていないせいか凄く恥ずかしそうにしながら入ってきた。


「先輩凄く似合ってますよ!」

「あ、ありがとう⋯⋯でも優希くんも凄く可愛いよ!」

「複雑な気分ではありますけど、ありがとうございます!」


 お互いに褒めあっていると、部屋に橋本さんも入って来た。


「遅れてごめんなさいね、とりあえず衣装の方は問題なさそうね?」

「はい! サイズも問題ないです!」

「わたしの方も問題無しです!」

「それは良かったわ。

 とりあえず、この衣装の元ネタになってる漫画の作者さんに写真を送って足りない物が無いか聞いてみるわね」

「「はい!」」


 そして橋本さんがメールで写真を送るとすぐに返事が返って来た。


「ふむふむ⋯⋯」

「どうかしましたか?」

「マネージャー?」

「とりあえず、優希ちゃんにはリボンを、遥ちゃんは問題無いけれど、杖を持たせたいと言っているから、似合いそうな小物を用意させるわね」

「「はい!」」


 そして小物を用意してもらい、その間に僕の頭には大きな黒いリボンが付けられた。


「うんうん、良い感じね」

「優希くん凄く可愛いよ!」

「せ、先輩こそ!」

「きゃわっ!?」

「そうよ、遥ちゃんだって凄く似合っているわよ!」

「う、うぅ⋯⋯も、もう衣装は良いですよね!

 わたし着替えてきますっ!!」


 先輩は耐えきれなかったのか、着替えに行ってしまった。


「むぅ、遥ちゃんも可愛い系かなりアリねぇ⋯⋯」


 橋本さんがそう呟いた声が聞こえた。


「あの、ほどほどにしてあげてくださいね⋯⋯?」

「⋯⋯それもそうね」


 それから先輩が戻って来ると、今度は二人でどんな事をするかを決める事にした。



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昨日の夕方にアップしたものとその前にアップしたものがすでに投稿済みのエピソードだった為、一旦削除し、新しい話を2話分投稿させていただきました!

教えて頂いてありがとうございます!

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